・ロリポップ
本来は棒付きキャンディの意味だが、ピットストップの際、車両の正面に差し出される札の形が似ていることからそう呼ばれる。車両が所定の位置に停止した際は『ブレーキ』と書いてある面を差し出し、タイヤ交換が終わりそうになるとロリポップを裏返して『1速』と書いた面を出してドライバーに発進の準備を促す。ピットストップ作業時間の短縮化が進むにつれロリポップの役割は信号システムに置き換わり、現在では後者が主流。
・ロングラン
決勝レースを見据え、フリー走行で連続して長い距離(周回数)を走ること。連続して長い距離を走ることで、タイヤの性能劣化や、燃料消費によって軽くなる車重によるハンドリングへの影響などを調べ、タイヤ選択やセットアップに活かす。
・ワークス
自動車メーカーが主体となって参戦するチームのことで、自社製のパワーユニットと自社製のシャシーを組み合わせた車両で参戦する。プライベーターの対義語。
・107%ルール
ポールポジションのタイムから107%以内のラップタイムを記録できないと、決勝レースに進出できないとするルール。1996年に導入され、2002年末で一旦廃止。11年に復活した。あまりにも遅い車両は危険という判断からの導入。しかし現状では107%以内のタイムを記録できなかった場合でも、フリー走行のタイムから出走が認められる場合がある。
・3ワイド
3台の車両が横並びになって競い合っている状態。2台が横並びになるのは珍しくないが、3台が並ぶのは稀だ。4台横並びになれば4ワイドである。
・DNS
『Did Not Start』の略。リザルトに使われる用語で、レースにスタートできなかったことを表す。
・DNF
『Did Not Finish』の略。リザルトに使われる用語で、レースにフィニッシュできなかったことを表す。
・ES
『Energy Store』の略で、エネルギー貯蔵装置のこと。実質的にリチウムイオンバッテリー。重量は20~25㎏の範囲に収めなければならず、サバイバルセルの内部(燃料タンクの下に配置されている)に収める。
・G
『Gravity』の略で重力加速度を表す単位。F1では主に加速時や減速時に前後方向に作用する加速度や、コーナリング時に横方向に働く加速度を表現する。いずれも、乗用車が発生する数値より格段に大きい。
・HFDP
ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(Honda Formula Dream Project)のことで、若手ドライバーの発掘・ステップアップを目的としている。近年はF1ドライバー輩出に向けた取り組みを強化している。
・SC
『Safety Car』の略でセーフティカーである。アクシデントなどによってレース続行が危険と判断された場合に導入され、走行車両を先導する。また、ウエット路面の際はセーフティカーの先導によりレースを開始する場合がある。1996年以降はメルセデスがセーフティカーを提供しており、2018年からはAMG GT Rがその役割を務める。
・VSC
『 Virtual Safety Car』の略でバーチャル・セーフティカーのこと。2015年に導入されたシステムで、セーフティカーを導入するほどではないコース状況の際に発令され、走行車両を強制的に減速させる。VSCが発動すると、各車は制限されたラップタイムの範囲で周回しなければならない。またその発動中はタイヤ交換目的以外でピットに入ってはならない。
