ここでも、フェラーリは成功させる答えがないまま、戦略を1ストップにしようとしていたことがうかがえる。ただし、今度はすぐに返事が来た。

フェラーリ:1分23秒4から1分23秒5のペースで走り続けてほしい

 そして、ベッテルはこう答えた。

ベッテル:それならやれる。僕たちは失うものはないから、やってみよう

フェラーリ:そうだ。君はいまP5。だから、尋ねてみたんだ

 その直後の51周目、ベッテルは1分23秒467と、チームの指示どおりのラップタイムで周回するとその後も、以下のように精密機械のような正確さでペースをコントロールしていく。

51周目 1分23秒467
52周目 1分23秒356
53周目 1分25秒144(ハミルトンの周回遅れ)
54周目 1分23秒434
55周目 1分23秒760
56周目 1分24秒557(ストロールに抜かれ6番手)
57周目 1分23秒560
58周目 1分23秒695
59周目 1分25秒977(フェルスタッペンの周回遅れ、サインツに抜かれ7番手)
60周目 1分24秒140
61周目 1分24秒033
62周目 1分24秒787(ボッタスの周回遅れ)
63周目 1分24秒111
64周目 1分24秒407
65周目 1分24秒668

 そして、チェッカーフラッグ。

フェラーリ:P7、P7、よくやった

ベッテル:タイヤはもう完全に終わったよ。僕はこのタイヤで何周走った?

フェラーリ:37周も走った

ベッテル:ありがとう

 このレースでドライバー・オブ・ザ・デーにも選出されたベッテル。今シーズン限りでフェラーリのシートを失い、まだ来年のシートが発表されないようなドライバーとは思えない、ドライバーとしても人間としてもレベルの高い走りを披露した。

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2020年F1第6戦スペインGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

本日のレースクイーン

密照幸映みっしょうさえ
2026年 / スーパーGT
Ambassadeur de MOTUL
  • auto sport ch by autosport web

    20歳でスーパーGTの最高峰に挑む“新人”小林利徠斗に迫った『FORMATION LAP』2026年第1弾が6月5日に公開

    ふつうとちょっとズレてる──20歳で最高峰に挑む新人ドライバー【FORMATION LAP Produced by auto sport】2026 Episode 1

  • auto sport

    auto sport 2026年7月号 No.1621

    [特集]WRC 2027
    Gr.A時代の熱狂、ふたたび

  • asweb shop

    掘り出し物満載の特別企画『モデルカー祭り!』がautosport web shopで開催中。6月25日まで

    レア物や特別価格商品が満載!
    6月25日まで