もうひとつ、この件についての謎は、なぜホーカーズはそんなツイートを行ったのかだ。メキシコ人のあるジャーナリストは、こう分析する。

「まず、ホーカーズはスペインの企業で、メキシコとは同じスペイン語を母国語としていたため、トランプのメキシコ移民に関するコメントがほかの国に比べて、我が国のことのように感じていたのではないか。それでメキシコ人を慰めようと、「メキシコの皆さん、壁が作られる時、泣きはらした目を見せ ないで済むようにこのサングラスをかけましょう」とツイートしたが、メキシコ人にとって、トランプの発言は非常にデリケートな問題で、シャレにはならなかったんだと思う」

 ちなみにホーカーズは2013年にスペインに創立されたサングラスブランドで、オートバイレーサーのホルヘ・ロレンソのスポンサーを務めて国内での知名度を上げ、今後は積極的に世界展開していく予定だった。しかし、今回の一件で2万個を生産する予定だった『セルジオ・ペレス限定エディション』の話はご破算となった。

 ブラジルGPで、ペレスはホーカーズのサングラスをかける予定だったが、「もうホーカーズはかけない」と言い、別のメーカーのサングラスを用意していた。本人は明らかにしていないが、ペレスに近い関係者によると「彼はクリスチャン・ディオールが好きだから……」と言いつつも、「どのサングラスをかけているのかは不明だ」という。

 そもそもトランプが大統領になっていなければ、この問題は起きていなかったはず。現在、アメリカでは反トランプ運動があちこちで発生しているが、F1界にも思わぬ形でその余波が訪れた今朝がたとなった。

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