だがいつものようにデータを見てみると、非常に有望なことが見つかるものだ。まず、2019年シーズンに角田は文字通りイェンツァーのすべてのポイントを獲得した。彼は2018年のチーム全体よりも多くのポイントを獲得している。そして2020年、イェンツァーはシーズン全体で2回しかポイントを獲得できなかった。
言い換えれば、かわいそうな角田には競争力の高いマシンがなかったが、それでも常にトップに近いところにいたのだ。非公式に私が聞いたことだが、裕毅をF2に送る決断は、モンツァでの表彰式の間に下されたのだという。もちろんだ。2020年に彼をプレマに入れられないのなら、F3に残る理由は何もない。
そのことがようやく発表され、誰もが角田をポジティブに捉えていたにもかかわらず、私が聞いたのは「早すぎる!」という声だけだった。人々はこの新人の日本人ドライバーに好意を持っていたので、彼の成功を望んでいた……。だから彼をF2に送り込むのが早すぎると懸念を持ったのだ。
「信じてほしいが、決して時期尚早ではない。彼はあなたを驚かせるよ。私が保証する」私はこれらの言葉を冬の間に何度も言った。彼のF2シーズンがどうだったか私が説明する必要はない。なぜなら私たち全員がよく知っているからだ。
彼はルーキー・オブ・ザ・イヤーとなった。また非常にポジティブな驚きだったのは、彼がいかに早くチャンピオンシップに適応したかということだ。前年に彼がF3とユーロフォーミュラ・オープンでやったようにだ。
私にできることは、なぜ角田がヨーロッパでこれほど人気があるのかを説明することだ。もちろん、まず彼にはスピードと才能があるからだ。誰もが速いドライバーが好きだし、それが予想外だったらなおさらだ。彼には別の面もある。F2での彼の無線のメッセージは、彼がどれだけ情熱的であるかを示していたし、こういうことがファンにアピールするものだ。
また彼が小柄であることさえ、イメージをポジティブにしている。それで人々は彼を応援したいと思う。だからあらゆる人々が彼に共感しているのだ。つまり多くの人々にとって、ミック・シューマッハーやニキータ・マゼピンではなく、彼こそが2021年に観たいと思うルーキーなのだ。
もちろん、メディアでは物事はもっと単純だ。ホンダの支援を受けている驚くほど速いドライバーが、F1に昇格するのにその助けを必要としなかったというのは、非常に興味深いストーリーだ。実際、2021年末にホンダは正式にF1から撤退するが、レッドブルは彼が自身でF1での居場所を手に入れたのだとすでに述べている。
彼はホンダのサポートを受けているレッドブルのドライバーと言ってもいいだろう。その逆ではない。彼がF1のルーキーとして何ができるのか見ることに、私は本当に興奮している。彼には比較したり学んだりできる、とても優れたチームメイトがいる。あとは誰に分かるだろう?もしかすると将来、彼はF1で優勝する最初の日本人ドライバーになれるかもしれない。
私が他の記者全員に言ったように、あなたにも今言っておこう。「私を信じてほしい。彼にはできるから」
