2021年F1第5戦モナコGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った変更等について解説する。第1回では、レッドブルがテストしたフロントウイングを取り上げる。
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超低速コースのモナコでは、ドラッグが大きいことはほとんどハンデキャップにはならない。なのですべてのチームが、ウイングを目一杯立てた仕様でレースに臨んだ。今回速さを発揮したレッドブル、フェラーリも、もちろん例外ではなかった。ダウンフォースが増大することでタイヤに熱が入りやすくなり、市街地舗装の滑りやすい路面でもグリップが確保できるメリットもある。しかしメルセデスは予選でもレースでも、タイヤの熱入れに手こずり続けた。前戦スペインGPと逆の現象が起きたわけである。