──今週末のような、目まぐるしく天候が変わるなかでのパワーユニット側のセッティングは、どのような難しさがあるのでしょうか?
田辺TD:路面コンディションが変わるとエンジン全開率が変わります。そのため、エネルギーマネジメントのセッティング、合わせ込みが忙しくなります。今年は(ステアリング上の)スイッチにいろいろな設定を持っていますので、状況を見ながら変化させ、最適なパワーユニットの使い方を逐次、ほとんどラップごとと言っていいかもしれませんがやっていました。その部分は、ホンダの仕事としては今回大きかった部分ですね。
ダンプ(ちょい濡れ)から完全ドライ、あるいは再びウエットへと変化するなかで、それぞれ違うタイヤを履けばセッティングも変わります。どういったコンディションでどのくらいのラップタイム、どのくらいの全開率になったら、どういったセッティングがベストかを頭に叩き込んでおき、このあたりに行きそうだなと思ったら、事前に切り替えをやってきた感じです。
──ドライ路面の場合、回生エネルギーのチャージが必要なことから2周連続アタックはできないはずです。それがウエット路面では連続アタックができると理解しています。今回の予選はまさにそんな状況で、連続アタックは回生エネルギー的に問題なくできたということでしょうか。
田辺TD:そうですね。雨の降り方といいますか、全開率に大きく左右されるので、それによります。今日の状況でも、全開率が大きく下がった際には連続アタックができています。過去のウエットでもそういった状況はありました。
──それを踏まえての質問ですが、Q3での赤旗中断後の最終アタックで、フェルスタッペンとルイス・ハミルトン(メルセデス)は1度アタックした後にクールダウンなのかチャージラップなのか、とにかく1周を空けて再度アタックをしていました。フェルスタッペンのコメントでは、タイヤのコンディションを合わせ込むのが難しかったとのことでした。だとするとデプロイメントの必要性というよりもタイヤだったのか。あるいは2分を切るタイムを出そうとすると、チャージラップが必要になってくるのか。どちらだったのでしょうか?
田辺TD:フェルスタッペンの言ったとおりの目的です。
──そうですか。一方でペレスが3周連続アタックをしたこともデプロイメントとは関係なかったのですか?
田辺TD:そうです。


