──その意味でフロントローを獲得したウイリアムズのパフォーマンスは、驚きですか。
本橋CE:ええ。最近のジョージ(・ラッセル)は、ドライでも速いですからね。気になる存在ではありました。とはいえ2番手ですからね。ウエットのなか、本当にうまく走った。ドライバー、チーム両方に、おめでとうと言いたいです。
──Q1からウイリアムズだけは最初からインターミディエイトタイヤで出て行ったりと、独自のやり方を貫いていました。
本橋CE:ええ。ライバルと同じやり方でやっていてもダメだというのは、我々もいつも思っていることではあります。それにしても今回は、チームも手応えを感じて狙いにいっていたんでしょうね。
──とはいえウイリアムズでフロントロウというのは、本来ならありえない。ウエット路面の温度でマシンの性能差が縮まったのでしょうか?
本橋CE:どうでしょう? ドライバーの腕もあるし、ウエット状況に合ったセッティングもはまったのでしょうね。一方でマシン戦闘力が上がっていることも確かだと思います。そこが全部うまく噛み合ったのでしょう。
──たらればで恐縮ですが、もしコンディションが改善されてウエットレースが行われていたら、どのあたりの位置を狙えていたと思いますか。
本橋CE:難しいですね。でもガスリーはひとつ、ふたつは(ポジションを)上げていた手応えはあります。角田(裕毅)もドライなら、あの位置からでも3つ、4つは全然いけたと思います。ポイント圏内までいけたかと。ただウエットのままでは、ちょっと厳しかったかもしれません。
──角田選手は下位カテゴリーではここで好成績を上げていますが、今回はウエットのスパにちょっと手こずっていたのですか?
本橋CE:ウエットでのF1経験自体が、まず少ない。さらにそれがスパということで、だいぶ手こずっていた印象です。ただQ1もそうでしたが、走りながら向上させていく感じで、タイムも伸ばしていた。いい調子だったのですが、わずかにタイムが足りなかったですね。レインタイヤをどう使っていくか、どうすれば温度を下げないかとか、絶対的な経験が足りなかったですね。ただその辺りは今回しっかり学んだので、今後に向けては意味のある週末だったと思います。

