バルセロナテスト最終日のFIA会見には、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が出席した。次世代の世界チャンピオン候補というべき面々だ。
メルセデスへのステップアップを果たしたラッセルは、テスト初日から絶好調で今季台風の目になりそうなマクラーレンへのライバル心を隠さない。一方のノリスは、「結局メルセデスとレッドブルは伸びてくるし、彼らにしっかりくっついて行きたい」と、あくまで謙虚だった。
そしてガスリーはこの会見直前の走行でスピンオフを喫し、マシンにダメージを負ったことでチームのこの日の周回はわずか40周にとどまった。それでもガスリーは終始リラックスしていて、新車AT03の感触、テストの進み具合に、確かな感触を得ているようだった。
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──この3日間のテストの全般的な感想から。
ラッセル:車体規約が大きく変わったにもかかわらず、初日は赤旗も出ず、意外なほど順調だった。でも2日目以降、いろいろな問題やトラブルが出てきたよね。そんななか、フェラーリとマクラーレンの好調さが目立った。彼らに追いつくために、僕らがやるべきことはかなり多い。まだテストは始まったばかりだけど、現時点でのマシンバランスには全然満足できてない。(改善のための)方向性は見えていると思うけど。
──チームにはすっかり溶け込めていますか?
ラッセル:それは全然問題ない。僕はもう何年も前から、メルセデスの一員だからね。見知った顔ばかりだし、すぐに作業に入れたよ。ミーティングルームでスタッフと話し合っていると、ずっと前からここでこういうことをしていたような錯覚を感じるくらいさ。
──ランド、メルセデスドライバーのジョージから、すごく速いと言われた気分は?
ノリス:まあまあのスタートが切れているというところかな。ジョージだって、午前中に最速タイムを叩き出してるじゃないか(笑)。レッドブルもこれから伸びてくるだろうし、そんななかで彼らにしっかりくっついて行ければと思っているよ。
──アルファタウリも悪くないですね。
ガスリー:最初のテストにしては、生産的な3日間だったと思う。まったく新しく生まれ変わったF1マシンがコース上でどんな動きをするのか、たくさんの学びを得られたよ。いくつか問題が出たり、予想外の挙動に見舞われたりしたけど、それらも含めていいテストだった。この3日間はいたずらに速さを求めず、クルマの理解に徹した。その目的は達せられたんじゃないかな。