ただし、一部のレースでは体力の限界と戦う場面が復活しそうだ。

「マレーシアやシンガポールのように現時点でも体力的にキツいレースでは、2017年はかなり大変かもしれないね。タイヤ戦争でコーナリングスピードとGが半端じゃなかった2005年頃は、1日走ったら翌日にはもう走れなかった。もしかすると、そんな頃に近付くかもしれない」と、ジェンソン・バトンは予想していた。

 しかし、規約変更は良いことばかりではない。新時代の2017年型F1マシンでは、バトルが難しくなるかもしれないのだ。

接近戦が困難になるという予想も
接近戦が困難になるという予想も

 あるドライバーは「僕らはずっと、バトルができるクルマを要請してきた。そのためには、空力じゃなくメカニカルグリップに頼るクルマが必要だ。速くなるのは良いことだけど、空力で速くしたクルマではむしろ逆効果になりかねないよ」と指摘する。

 ダウンフォースが大きいということは後方に生まれる乱気流も大きく、その分だけ前を走る車の後ろに付いた際の影響が大きくなる。となれば、ピタリと後方についてコーナリングすることは難しく、接近戦が難しくなるかもしれないのだ。

 タイヤのトレッド拡大により、横Gに対するメカニカルグリップ向上が予想されているだけに、この懸念が杞憂に終わることを願いたいが……。

 また、車幅が広くなることで接触事故が起きやすく、特にモナコやシンガポール、バクーのようなコース幅の狭い市街地サーキットではバトルが難しくなるのではないかという懸念もある。

 いずれにしても、批判の声も少なくなかったここ数年のF1が、2017年シーズンは大きく変わるはずだ。そのマシンを駆って、ドライバーたちがどんな走りを見せるのか、いまから楽しみだ。

■2017年車体規則変更点

2017 2016
フロントタイヤ 305mm 245mm
リヤタイヤ 405mm 325mm
車幅 2000mm 1800mm
フロントウィング幅 1800mm 1650mm
リヤウイング幅 950mm 750mm
リヤウイング高さ 800mm 950mm
車重 最大722kg 最大702kg

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