■評価 8/10:またもや不運に襲われたアロンソ
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ):予選5番手/決勝リタイア
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は今回もチームメイトより優れた走りを見せてA522をグリッド3列目につけた。スタートでランド・ノリスの後ろに下がったが、長くマックス・フェルスタッペンを抑え続けた。しかし残念ながらエンジンが息絶えたことで、またもやその速さにふさわしい結果を得られなかった。
■評価 7/10:いつもほど冷静ではなかったフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選8番手/決勝7位
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選4番手/決勝3位
ダニエル・リカルド(マクラーレン):予選17番手/決勝5位
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選12番手/決勝6位
ピエール・ガスリー(アルファタウリ):予選7番手/決勝10位
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)には、今回タイトル獲得の可能性があったが、それが関係してか、通常より冷静ではなかったように見える。Q3でミスを犯したため、チームはそのラップをアボートするよう彼にアドバイス。しかし燃料が不足し、次のラップも断念しなければならなかった。走り切っていれば、ポールを獲得した可能性があったが、彼が予選後に示した反応は褒められたものではない。
スタートでアンチストールに入ってポジションを落とした後、うまく挽回しつつあった。しかしノリスを抜こうとしたところでブレーキングにおいて判断ミスを犯し、タイヤにフラットスポットを作り、追加のピットストップが必要になった。その後の追い上げで、なんとか7番手をつかむことができた。
カルロス・サインツ(フェラーリ)は3位を獲得したものの、予選ではポールポジション争いに加わっていただけに、自分のレースに満足していなかった。良いスタートを切ってルイス・ハミルトンの前に出た後、最後までそのポジションを守り、フェラーリに貴重なポイントをもたらした。しかしインターミディエイトでもスリックでもルクレールのペースには及ばず、彼自身、そのことに困惑していた。
ダニエル・リカルド(マクラーレン)はシーズンここまででベストの5位を獲得、その貢献もあってマクラーレンは選手権ランキングでアルピーヌの上に浮上することができた。予選はひどかったが、リカルドは決勝序盤の数周で大きくポジションを上げ、ミスなく走った。チームがスリックに交換するのを遅らせたことにより6番手に浮上、フェルスタッペンがミスで後退したため、リカルドは5位に上がり、真の笑顔を取り戻した。
アストンマーティンは今回、好結果を挙げた。ふたりのうちで上位に入ったのはランス・ストロール(アストンマーティン)の方だった。予選Q2でスリックを履くというギャンブルは実を結ばなかったが、レース戦略は完璧で、それによってストロールはピエール・ガスリーや角田裕毅の前に出ることができた。今回のストロールはひとつのミスもせず、シーズンここまででベストの走りを見せたといっていいだろう。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)が1ポイントにとどまったのは気の毒だ。予選では7番手を獲得、決勝では堅実にポイント圏内を走っていたが、チームがスリックに交換すると判断したのが早すぎたことで、ポジションを落とした。レース後、悔しさを表していたのも理解できる。