■評価 6/10:予選だけなら満点だったハミルトン
ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選3番手/決勝9位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選19番手/決勝リタイア
周冠宇(アルファロメオ):予選15番手/決勝リタイア
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン):予選14番手/決勝8位
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選9番手/決勝12位
予選後に採点していれば、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に10点をつけていただろう。それほど見事なパフォーマンスだった。だが決勝ではスタートを失敗してサインツの後ろに落ち、サインツのペースが悪かったにもかかわらず、W13のストレートラインスピードでは抜くことができず、苛立ちをつのらせた。そうして珍しいミスを犯し、ハミルトンはバリアにヒットした。幸いフロントウイングが壊れただけでコースに復帰できたが、8番手まで後退。セバスチャン・ベッテルを抜く速さがなく、終盤、小さなミスを犯してフェルスタッペンに抜かれてしまい、さらにひとつポジションを落とした。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、シンガポールGPに出場しただけで賞賛に値する。イタリアGPの週末に虫垂炎の手術を受けた後、身体的なコンディションは万全とはほど遠かった。それなのにニコラス・ラティフィより常に速かったのだ。マシンのパフォーマンスが悪かったことで大きな結果は望めないなか、クラッシュし、マシンに大きなダメージを負った。
周冠宇(アルファロメオ)はトリッキーなコンディションでチームメイトより速く、予選ではQ2に進出した。しかし決勝1周目が良くなかったことでポジションを落とし、さらにラティフィのミスによりリタイアしなければならなかった。
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は、ストロール同様、予選はスリックタイヤへの交換が早すぎてうまくいかなかったが、決勝ではしっかり貴重な4ポイントを稼いだ。スタート直後、素晴らしいラップを走って8番手まで上がった。スリックに交換するのがストロールより1周早く、チームメイトの後ろに後退。終盤まで7番手を走っていたが、残り半周でフェルスタッペンに抜かれてしまった。
Q3に進出したケビン・マグヌッセン(ハース)は今回の予選のヒーローのひとりだった。決勝1周目ではわずかの間、フェルスタッペンの前を走ったが、接触があったことで、マグヌッセンはまたもやブラック&オレンジフラッグを示された。なんと今年3回目のことだ。追加ピットストップにより、彼は競争から脱落、今回の彼にふさわしい結果を得られなかった。
■評価 5/10:初のシンガポールで健闘していた角田裕毅
角田裕毅(アルファタウリ):予選10番手/決勝リタイア
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選18番手/決勝リタイア
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ):予選16番手/決勝11位
ミック・シューマッハー(ハース):予選13番手/決勝13位
角田裕毅(アルファタウリ)が予選Q3に進んだのは驚くべきことだった。今回は彼にとって初のシンガポールだったのだ。決勝ではミスなくポイント圏内を走っていた。しかしチームの判断で早めにスリックタイヤに交換したところ、コースに復帰した角田は濡れた路面に乗ってクラッシュしてしまった。
エステバン・オコン(アルピーヌ)は予選の時点からペースに苦しみ、Q1で敗退。レースでは14番手で走行した後、エンジントラブルでリタイアした。
バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は金曜のドライコンディションでは期待を感じさせたが、ウエットになってからは、周冠宇ほどの速さがなかった。予選はQ1で敗退、決勝ではずっとオコンに抑えられていたが、スリックに履き替えてからはペースが大きく向上した。それでもポイントには届かなかった。
ミック・シューマッハー(ハース)は自身初のシンガポールで、チームメイトに全く太刀打ちできなかったが、それでも予選ではQ2に進出。決勝ではポイント圏外を走り続けた後に、ジョージ・ラッセルとの接触が起きて、入賞のわずかなチャンスも失った。
■評価 3/10:ラッセルにとって、今年最悪の週末
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選11番手/決勝14位
ジョージ・ラッセル(メルセデス)にとって、メルセデスに加入してから最悪の週末だったのではないだろうか。この難コースでW13を乗りこなすことができなかった。予選Q2で敗退した後、新しいパワーユニットを積んでピットレーンからスタートしたが、珍しく何度もミスを繰り返し、終盤にはシューマッハーと接触した。
■評価 1/10:ラティフィ、アクシデントで悲惨な週末に
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ):予選20番手/決勝リタイア
これ以上ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)を批判したくないのだが、彼にとって最初で最後のシンガポールGPは悲惨な週末となった。アルボンより大幅に遅く、決勝では不注意で周冠宇に当たり、相手をリタイアさせ、自分もその後、レースを終えた。