■実はF1シミュレーターにはうんざり
今のF1ではテストは禁止されているも同然であり、並外れて洗練された、高価なシミュレーターでの作業に重点が置かれている。バンドーンは2016年にどのぐらいの時間をマクラーレンのシミュレーターで過ごしたのだろうか?
「そんなに長くはなかったけど、うんざりするには十分な長さだったよ!」とバンドーン。
「もちろん僕の場合は、コースを学んだり、チームと一緒に作業をしたり、セットアップ変更を行うといった面で役に立った。でも、バルセロナみたいに、レイアウトを暗記しているほどよく知っているサーキットで何周も何周も走っていると、うんざりしてくる。僕の場合は、だけどね! そういう日には、『これはチームの役に立つから、やらなくては』と自分に言い聞かせる必要があるんだ」
■いつかマクラーレンでチャンピオンに
今年チームメイトになるアロンソとの関係はこの2年を通して非常によかったと言うバンドーンは、アロンソを見て学んだことを生かし、いつかマクラーレンで成功を収めたいと考えている。
「もちろん、直接戦っていないときは、比較的うまくいくものだけどね」
「フェルナンドがどのようにチームを操っているのか、レースの週末にどうやって準備をしているのかを見ることができたのは、僕にとっていい経験だった」
「彼はF1で最も完成されたドライバーだ。どんな状況でもいいパフォーマンスを発揮するし、いつだって最善の戦いをする。彼のチームメイトになることができてうれしい。もしいい結果を収めることができたら、僕のキャリアにとって間違いなくプラスになるからね」
「僕にとって最高の瞬間は、ここ(マクラーレン・テクノロジー・センター)に初めて足を踏み入れて、歴代のマクラーレンのマシンを目にした時だ。いつか僕のマシンが、(アイルトン・)セナ、(アラン・)プロストといったマシンの隣に並ぶのだと思いたいね」
そうなることは間違いなさそうに思える。過去にキミ・ライコネン、ルイス・ハミルトンなども担当した、ドライバーコーチのロブ・ウィルソンは、バンドーンについて次のように発言した。
「ストフェルは、僕が今まで見てきたなかで、一番マシンコントロール能力において優れている。ヨッヘン・リントを思い出すよ」
なかなか興味深いコメントではないか。
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています