ヨーロッパラウンドに入ってからヤマハは、今年のルールに合わせた“隠しウィング”仕様のカウルを登場させている。今大会、バレンティーノ・ロッシは初日から使用。マーベリック・ビニャーレスも、予選、決勝と隠しウィング仕様を使用した。
今年のウィンターテストからダニ・ペドロサのコーチを務めるセテ・ジベルナウ。バレンティーノ・ロッシのコーチを務めるルカ・カダローラのようにひんぱんにコースに出て走りをチェックするというスタイルとは違い、もっぱら、ピットにいてアドバイスしている。
メンタル面でペドロサを支えている感じだが、なにより変わったのはチームスタッフへの対応だと言われる。それが好成績の要因のひとつ?
徐々に調子をあげているドゥカティ・ワークス。今大会はアンドレア・ドビツィオーゾが4位、ホルヘ・ロレンソが6位。今季好調なヤマハ勢、それを追うホンダ勢にはまだまだ届かないが、その差をジリジリと縮めてきている。
次はホームGPのイタリア。どんなレースをするのか注目される。
前戦スペインGPの後に行われた公式テストで、ショートマフラーのテストを行ったホンダ・ワークス。今大会、ショートマフラーを使ったのは、マルク・マルケスとカル・クラッチローだ。狙いは、加速の改善。ダニ・ペドロサは従来型のマフラーを使った。
これまでの常識では、ショートマフラーは高回転型。ロングマフラーはトルク重視型と言われてきた。となれば、ストップ&ゴーのル・マンではロングマフラー? となるのだが、最近は電子制御の発展もあり、一概にはそうも言えなくなってきたようだ。
ヤマハ・ワークスのふたりと同じタイヤ選択となったマルク・マルケス。フロント、リアともにミディアムでレースに挑んだが、その時点で今大会は厳しい戦いになることは十分に予想された。
しかし、土曜日のフリー走行と予選で転倒しているだけに、フロントにハード(カル・クラッチローは選択した)は選べなかったのかも……。それにしても今季2回目のノーポイントは痛い。
マルケスは「今日は完走しようと十分に注意して走っていた……」と語るも、前日の2度の転倒と同じ3コーナーでスリップダウン。「今大会、3コーナーとの相性が悪かったね」と肩を落とした。




