ROCは、KTM X-BOWやアリエル・アトムなどの市販レーサーや、後輪が1輪の3輪車ポラリス・スリングショットといった変わり種も含め、8種類の車両を乗り換えながら競われます。スリングショットは、見るからに運転が難しそうで、どのドライバーにとっても経験が活かせない厄介なマシンだと思われます。

前二輪、後ろ一輪の三輪車ポラリス・スリングショット
前二輪、後ろ一輪の三輪車ポラリス・スリングショット

 コースは、センターバックスクリーン方向からバッターボックスに向けて2車線のメインストレートが設けられ(聖域であるピッチャーマウンドにはコースを乗せていない)、そのストレートエンドで左右二方向にコースが分かれるユニークなレイアウトが採用されていました。

 ストレートから左に折れるトラックAは、1塁からライト方向を通ってストレートに戻る1017フィート(約310メートル)のコース。右に折れるトラックBは、3塁からレフト方向を通る761フィート(約232メートル)のコースというように、左右でトラックの距離に差がつけられていることが特徴です

特設コースが作られたマーリンズ・パーク
特設コースが作られたマーリンズ・パーク

 レースのルールはシンプルで、この8の字型のコースを2台同時にスタートし、メインストレートへ戻ったときに交差してAとBを入れ替え、先にゴールラインを通過したものが勝ちというもの。2シーター車両の場合は、スポンサーなどのVIPゲストを同乗させて競うこともこのレースの面白いところです。

 さて、現在のROCでは個人対抗戦の『レース・オブ・チャンピオンズ』と国別対抗戦の『ネイションズカップ』が行われています。

個人戦を制したファン-パブロ・モントーヤ(右)と2位のトム・クリステンセン(左)
個人戦を制したファン-パブロ・モントーヤ(右)と2位のトム・クリステンセン(左)

 今大会では土曜日に個人戦が開催され、決勝はトム・クリステンセンvsファンパブロ・モントーヤという“おじさん対決”に。バギーからNASCAR、3輪車まで幅広い車種に対応できる技と経験値の高さはベテランの持つ武器ですね。

 決勝は、40歳を過ぎて、お腹がふっくら、おでこも広くなってきたモントーヤが、今年50歳になるクリステンセンを抑えて優勝! このROCでは、速さはもちろんですが、さまざまなカテゴリーを経験してきた、いぶし銀の技がものを言うようです。

 USA3チーム、カナダ、ラテンアメリカ、ブラジル、コロンビア、そしてイギリス、ドイツ、ノルディックの10チームがエントリーした国別(地域別)対抗戦は日曜日に行われ、トーナメントを勝ち上がったUSAチームNASCAR(カート・ブッシュ、カイル・ブッシュ兄弟)と、チーム・ジャーマニー(セバスチャン・ベッテル)が決勝へ。

 チーム・ジャーマニーは、前日にマシンが横転するアクシデントを起こしたパスカル・ウエーレインにドクターストップがかかったため、ベッテル一人での参戦に。地元アメリカの熱狂的な応援を受けるブッシュ兄弟でしたが、ベッテルの空気を読まない走りに敗れてしまいました。

ネイションズカップを制したセバスチャン・ベッテル
ネイションズカップを制したセバスチャン・ベッテル
ウイニングランを行うペター・ソルベルグ
ウイニングランを行うペター・ソルベルグ

 ラストマッチは、US連合vs世界連合の対戦となり、スコット・スピードvsペター・ソルベルグのグローバル・ラリークロス王者と世界ラリークロス選手権王者によるのラリークロス王者決定戦も実現しました。このレースでは世界連合が勝利。最後の勝負に勝ったソルベルグがウイニングランを行いました。

本日のレースクイーン

河村澪かわむらみお
2025年 / スーパー耐久
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