そんな混沌のなか、都合16回とコーション多発の終盤戦で主導権を握ったのが僚友エリオットで、残り33周のリスタートで先頭レディックとハムリンの2台を“ボトムショット”で仕留め首位へと躍り出る。

 そこへ今季2勝の好調ハムリンに、ステージ2覇者チャスティンが挑んだファイナルステージは、ラーソンを起因とした残り2周のリスタートで9号車エリオット、11号車ハムリンがサイド・バイ・サイドの攻防を展開。しかしサイドドラフトのなかコントロールを失った2番手ハムリンは無念のクラッシュを喫し、勝負はオーバータイムの最終局面に突入していく。

 ここでエリオットの隣に並んだ1号車チャスティンだったが、ホワイトフラッグ突入で背後のウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)に“タグ付け”されたチャスティンは、堪え切れずアウトサイドのウォールへ一直線。そのままアンダーイエロー・フィニッシュとなり、この日33周をリードしたチャステインは32位、同37周をリードしたハムリンは30位に終わる結末に。結果、挑戦者2名が立て続けに散ったエリオットが2022年10月のタラデガ以来となる復活の通算19勝目を飾った。

「本当にクレイジーだった。そして僕らのチームをこれ以上誇りに思うことはできないね」と、ヴィクトリーラップではかつて有名レストランチェーン『フーターズ』のスポンサーカラーで戦った名チャンピオン、アラン・デニス・クルウィッキに笑顔で敬意を表したエリオット。

「ああ、これ以上いい気分はないよ。この旅とこの事実には、これ以上感謝してもし切れない。いつでも楽しかったわけではないけれど、仲間たちと仕事をするのは確かに楽しい。僕らは一生懸命、そして本当にうまく一緒に働いてきた。いつだって笑い合って戦って来たんだ!」

 併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第7戦『スピードキャッシュ・ドットコム250』は、カイル・ブッシュ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)がコーリー・ハイム(トリコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRDプロ)の挑戦をわずか0.112秒差で退け、同地最多記録タイとなる6回目の勝利を獲得する結果に。

 同じく土曜夜のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第8戦『アンディーズ・フローズン・カスタード300』は、サム・メイヤー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が大ベテランであるライアン・シーグ(RSSレーシング/フォード・マスタング)のラストラップパスを成功させ、こちらもわずか0.002秒差での今季初優勝を飾っている。

チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で2度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦
最後のリスタートに挑んだロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)もHMSの壁に阻まれる
チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で2度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦
怪我の欠場から長く未勝利の続いたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、待望の復活勝利をマークした
チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で2度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦
カイル・ブッシュ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が同地通算6勝目、3大シリーズ合算ではテキサス20勝の大記録を打ち立てた
チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で2度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦
文字どおり0.002秒差の“フォトフィニッシュ”で、サム・メイヤー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季初優勝を飾っている

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