予選でポールポジションを争ったファスト9は全員が優勝候補だ。アロンソもここに含まれる。
しかし優勝候補の筆頭は、やっぱりポールを獲ったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)だろう。過去100回のレースの記録を見ても、1位からの優勝が20回でもっとも多い。近頃のトレンドとして過去20年を振り返ってもポールからが4勝で最多だ。

優勝経験という観点からだと、予選3位のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、予選8位だったトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)にも優勝経験があり、未勝利組に対して一歩リードという感じだ。
予選ではホンダが優勢だったが、シボレー勢も侮れない。予選2位だったエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)はオーバル巧者であり、チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベス(3勝)、ファン・パブロ・モントーヤ(2勝)も中団グリッドから優勝を狙ってくる。

2014年ウイナーのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がレースモードで走ったプラクティス5日間でとても速かった印象がある。予選はクジ運の悪さでファスト9に入れなかったが、そのすぐ後ろの10位。1回目のピットストップ前までに楽々トップに立てるグリッドからスタートする。
日本期待の佐藤琢磨。8度目のインディ500は、インディ500で強いアンドレッティ・オートスポートからのエントリーとあって、予選は4位に食い込み、レースモードでのプラクティスでも安定した速さを見せてきた。

レースに向けたエアロセッティングが勝敗の鍵を握る。トラフィックでの走りも大事だが、トップを走った時に速いことも重要。セッティングがはまれば、琢磨が2012年のファイナルラップのリベンジを果たし、日本人初優勝を飾る可能性は十分にある。