琢磨が受け取った賞金は約250万ドル。日本円に換算すると3億円ほどだ。相変わらずインディ500は賞金がドデカい。

 琢磨はパーティの余韻に浸る間も与えられず、その晩のうちにニューヨークへと飛ぶ。ここからの忙しさに、インディ500で勝つことの意味が見てとれる。これだけの注目を浴びる存在なのだと驚かされる。

 そのインディ500ウイナー恒例のツアーは、火曜日早朝にスタートする。ラジオとテレビのモーニングショーをハシゴし、ニューヨーク証券取引所で始業の鐘を鳴らし、エンパイアステートビルの屋上で記念撮影を行うが、コンスタントに休む間も無くテレビ番組出演やメディアの取材が続いていく。

エンパイアステートビルで乾杯を行う琢磨
エンパイアステートビルで乾杯を行う琢磨

 締めは高層ビル最上階のバーでメディアとVIPとともに乾杯……なのだが、これで終わりではない。夕方にはニューヨークからテキサスへと1500マイルを一気に移動。水曜には再来週のレースに向けたプロモーションに参加し、木曜はデトロイト入りして今週末のレースに備える……前に、ふたたびメディア向けのイベントを数々こなす。

 大変なのは今週末のデトロイト戦がダブルヘッダーな点だ。金曜はプラクティスが2回、土曜はレース1の予選と決勝。日曜にレース2の予選と決勝。何もなくてもタフな3日間だというのに、インディ500ウイナーにはこれだけのハードスケジュールが課される。

 その間にデトロイトのレース用セッティングについてエンジニアと話し合い、プログラムを吟味する時間も作らなければならない。

「琢磨の体がもつのか?」と心配になる。インディ500の巨額の賞金には、これだけのハードワークが自動的についてくる。それだけインパクトが大きいレースであり、アメリカのファンが注目するイベントなのだ。

 レーサー冥利に尽きる栄誉を手に入れたのだから、このぐらいの忙しさは喜んで受け入れ、デトロイトで戦うためのエネルギーにかえてしまうぐらいでないといけないということらしい。

 琢磨にとってデトロイトは一昨年のレース2で2位。3年前のレース2でポールポジション獲得と得意のコースでもある。ここでインディ500新ウイナーの実力を思う存分発揮してほしい。

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