レース1を終えた時点では、悔しさを滲ませながらもすぐに気持ちを切り替えてレース2の優勝を視野に入れていた。このメンタル面の成長が、今年の松下の強さだ。

しかし激しいバトルが繰り広げられるFIA F2のレースでは、メンタルだけでは勝つことはできない。速さも必要であり、運も必要だ。ここまで全戦でポールポジションを獲得しオーストリアでもレース1で優勝したルクレールでさえ、レース2では目の前のバトルに巻き込まれて接触しリタイアを余儀なくされたほどだ。
日曜のレース2では、スタートに問題があった。5つ灯ったスタートシグナルがなかなか消灯せず、何台かのマシンがクラッチミートのタイミングを逸して出遅れてしまったのだ。松下もその中の1人だった。
「レッドシグナルがあまりにも長かったのでリスタートになるのかと思ったんですけど、そしたらライトが消えてスタートになって、それで完全に出遅れてしまいました」
さらに直後のターン1で両側を挟まれる格好になって行き場を失い、接触されてランオフエリアに逃げているうちに最後尾の17番手まで落ちてしまった。
