その立ち上がりでルクレールがデフリースのアウトに並びかけると、両者が接触してコースオフし2台ともにパンクを喫してリタイアという大荒れの展開に。さらにレース後、ギオットにもコースカットに対する5秒加算ペナルティが科され、最後まで生き残った松下は2位でレースを終えることとなった。これは松下の狙い通りだった。
「途中からは生き残るべきレースだなと思っていたんです。スピンとかクラッシュをしないで走り切れば、絶対に誰かがミスをすると思っていたんで、最後まで諦めずに走りました。それが良かったですね。最後の2周は本当にクレイジーだったし。ドライコンディションならポールトゥウインを争うレースができたかもしれませんけど、それは次のチャンスに頑張ります」
7番グリッドからの日曜レース2でも、スタートで10番手に出遅れた。
「いつも通りスタートしたんですけど、クラッチのバイトが全然合っていなくてパドルを離してもクラッチが本来のポイントで繋がらなくてクルマが全然進んでいきませんでした」
2周目にはジョーダン・キングとのバトルでパラボリカと第1シケインをオフして12位に下がる。手を挙げて怒りを表わしたが、失ったポジションは帰ってこない。
「サイドバイサイドでずっと外に追いやられて、パラボリカのアウト側に縁石が追加されたんですけど、そこにバンって乗って外側の緑色のところまで押し出されたんです」
しかしやはりドライコンディションではマシンのペースは悪くなかった。リアタイヤのデグラデーションに備えてアンダーステア寄りのセットアップにしていたため、レース中盤以降はルクレールやマルケロフとバトルを演じ、彼らよりも前の7位まで挽回してフィニッシュしてみせた。