金曜日は多くのドライバーが予選シミュレーションを行いスピードアップする“ファスト・フライデー”と呼ばれている。今のルールでは金、土、日曜日はターボのブースト圧を高く設定するので、パワーがアップしてスピードは大幅に上がる。

 この日のプラクティスでの琢磨は、またも順位が下がって、27番手。スピードは228.926mphと、今年の自己ベストにはなっている。しかし、この日は予選シミュレーションを行い44周を走行した。トップは32周を走行したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の232.672mphだった。

■予選で魅せた挽回のアタック

 そして、ついに予選日がやってきた。初日は「ファスト9と、それ以外」を決める。上位9人は日曜夕方にポールポジション争いを行えるが、その他は日中の暑い中で10~33番グリッドを競い合う。

 この日は前日夜から雨が降り、予選直前のプラクティス開始がズレ込んでいった。琢磨は、それでも集中力を維持し、13番手=227.363mphにつけた。プラクティストップは231.249mph。この時点では、ファスト9を狙える状況にはなかった。前日までの上り調子から一転、突然迷路に迷い込んでしまったのだ。

第100回インディ500/佐藤琢磨
第100回インディ500/佐藤琢磨

 それでも、予選アタックでの琢磨は16位につける228.096mphの4周平均をマークした。1周目から列記すると、227.221mph 228.339mph 228.637mph 228.194mphという、まずまずのスピードを記録したのだ。マシンは直前のプラクティスでのとっ散らかった状況から一転、安定感を取り戻していた。

 気温低め、湿度高めの1日、最速アタックはジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)による平均230.946mphだった。彼は二度のアタックを行って最速の座を掴んだ。一方で琢磨陣営は、2回目のアタックに行くかを逡巡した結果、アタックのチャンスを手に入れ損ねた。

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