「GTE車両はすでに準備され製作されているものだし、今すぐにすべてを始めることさえ可能だ。マニュファクチャラー自身がそれを望んでいるかって? その点だけは、私からはなんとも言えない部分だけどね」

 仮にDTMがGTEレギュレーションへと移行した場合、BMWだけが今季デビューを果たしている新型M8 GTEでエントリーが可能であるほか、ポルシェ、フェラーリ、フォード、アストン・マーティン、シボレーがすぐに新規DTMシリーズに参入する可能性が生まれる。

 一方のDTMレギュラーであるアウディは、新たにGTE規定のマシン開発を行うか、シリーズ離脱かの決断を迫られることになる。

「なにより、GTE規定はFIAにより策定されたレギュレーションなんだ」と続けるバリサー。

「そして少なくともコルベット、フェラーリ、ポルシェに関してはカスタマカーが供給されており、誰もがマシンを入手することが可能だ」

「GTEマシンのウィッシュボーンはスチール製だし、接触頻発のバトルでも容易にサバイブすることができる。さらに、エアロダイナミクスもそこまで過敏ではないため、仮にボディパーツの一部が破損したり欠落したような場合でも、そこそこのパフォーマンスを維持してバトルを続けることも可能になるだろう」

 だが、現実的にDTMはスーパーGTとのクラス1規定に関する契約を結んでおり、2019年にも交流戦が実現しそうな流れになっているため、GTE規定への変更は不可能に近い。DTM側としては新規メーカーの参入を促し、メルセデスに戻ってきてほしい狙いから、DTM内の一部の人間がGTE規定への可能性を示唆することで、メーカー側の反応を見ているのだと推測される。

現状、DTM参戦マニュファクチャラーでGTE車両を持つのはBMWのみ。アウディには新たな判断が迫られるか
ワークス車両として911RSRを走らせるポルシェにも、母国のツーリングカー選手権参戦の可能性が開ける
フェラーリ488GTEやシボレー・コルベットC7.Rなど、GTE車両の活躍の場がさらに増える可能性が出てきた

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