「週末を通して僕らのマシンは本当に速かった。その仕上がりの良さは言葉で言い表せないほどだ。ストリートではレース展開が不利に働くこともあるが、マシンの良さに見合ったレースを戦い、勝てたところがうれしい」

 ルーキーのザック・ビーチや、マルコ・アンドレッティが4、6位でゴールしたことが示す通り、アンドレッティ・オートスポートのマシンはロングビーチで非常に速く、安定感もあった。

 彼らの勝因は何だったのか? ロッシはそれをヘアピン状の最終コーナー攻略にあったと説明する。

「金曜のプラクティスから僕らはターン11の走り方に強くフォーカスしていた。コースでもっとも長いストレートに繋がるコーナーだからだ。ホンダエンジンはドライバビリティが大変良い。それがレースでも僕らのアドバンテージだった」とロッシ。

開幕から3戦連続の表彰台でランキングトップに立つロッシ

 リスタートは4回もあったが、パワーとディクソンはターン1で横に並びかけることができなかった。ホンダエンジン使用のディクソンであってもロッシに近づけなかったのだから、アンドレッティ・オートスポートのマシンの良さ、そしてロッシのミスのないドライビングも大きな勝因だと言える。

 100回目のインディ500優勝で気づくべきだったが、彼には生来の運の良さや、インディカーでスターになる資質が備わっているということのようだ。F1向けのものは持っていなかったが……。

 ニューヨーク州の山間にあるワトキンス・グレンはアメリカGPの舞台だった伝統あるサーキットで、近頃だとNASCARのレース開催コースとして知られるが、チャレンジングでスキルだけでなく度胸も試される魅力的レイアウトはNASCARが使うショートコースではなく、“ブーツ”と呼ばれるコーナー郡までをも含んだロングコースを使用する。

 ロッシはそのコースでの最後のものになるかも知れないインディカー・レースで勝ち、歴史に名を刻んだ。今年からワトキンス・グレンはインディカーのカレンダーから外れており、しばらくはシリーズに戻ってくることはない雲行きだ。

 インディ500とワトキンス・グレンで優勝した後の3勝目が、アメリカでもっとも歴史の長いストリートレースのロングビーチ。インディカーシリーズでインディ500に次ぐ規模と人気を誇るものだ。

 ロッシはメジャーどころ3つでの勝利をまずは押さえた。しかし、彼がこの3勝だけで終わるとはもはや考えられない。今年さらに優勝する可能性は大きく、チャンピオンの座さえもすでに彼は視野に捉えていることだろう。この勝利がロッシ時代の幕開けかとなるだろうか?

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