ホンダは2012~2017年のインディ500で4勝2敗。第一の目標はほぼ達成していた。ドライバー部門のチャンピオンには2013年のディクソンしか輝いておらず、今年はそのタイトル獲得がホンダにとっての次なる大きな目標となっている。

 今シーズンのシボレーは、インディ500での優勝をかつてないほどに大きな目標として掲げ、ピークパワーを求める設計変更をしてきた。対するホンダは信頼性、ドライバビリティ、燃費と、総合的パフォーマンスの向上を目指した。そこにはアメリカならではの事情があったはずだ。

 マニュファクチャラータイトルを獲り続け、ドライバーも6年間で5回チャンピオンの座に就けながら、最も注目度が大きく、最も価値の高いインディ500で日本ブランドの半分の2勝しか挙げていないのは、アメリカ最大の自動車メーカー=ジェネラル・モーターズのブランドとしては受け入れ難かったのだ。

インディ500を勝利するもマニュファクチャラータイトルを奪われたシボレー

 シボレーのエンジン開発を担当するのはイルモア・エンジニアリング。そのボスのポール・レイは、「小さな改良で小さなパワーアップを何百も積み重ねることで、ピークパワーを引き上げた」とインディ500での優勝後に語っていたが、それはホンダ陣営の開発でも行っていることだ。

 しかし、今年のシボレーはホンダ以上にピークパワーにこだわっていたということ。2018年はエンジンの設計変更がほとんど行えないサイクルに当たっているが、シボレーは「信頼性向上のため」としてインディカーに設計変更を申請し、それが受け入れられたことでも彼らのピークパワー増を可能とした。

 インディ500では7馬力で1mphの差になると言われている。700馬力のエンジンとすれば1パーセントの違いだ。シボレーは目論見通りに1パーセント以上のパワーアドバンテージを実現し、、予選でも決勝でもホンダを上回るパフォーマンスを見せ続けた。

 しかし、シボレーはインディでの優位の代償として信頼性を下げた。いまのインディカーシリーズは各エントラントが年間4基のエンジンしか使えないルールだが、第14戦ポコノを終えた時点でニューガーデン、エド・カーペンターとジョーダン・キングが乗るエド・カーペンター・レーシングの20号車、ハーディング・レーシングの88号車がすでに5基目を投入し、パワーとシモン・パジェノーに至っては6基目を使い始めていた。

 彼ら4基目以降のユーザーにはマニュファクチャラーポイントを獲得する権利がない。

 シボレーは残り3レースとなるゲイトウェイを迎えた時点で、マニュファクチャラーポイント獲得の権利を残しているのがエド・カーペンター・レーシングのスペンサー・ピゴット、AJ・フォイト・エンタープライゼスとカーリンの2チームの2人ずつ、合計5人だけ。ポイントゲッターであるペンスキーの3台はどれもポイント加算の権利を失っていたのだ。

 それに対してホンダ勢で5基目突入はゲイトウェイを迎えた時点ではゼロだった。

2021年からは2.4リッターツインターボV6エンジンに

 残るレースはポートランドとソノマの2戦のみ。ポートランドでのレースを迎える時点でポイントトップはディクソンで、ポイント2番手はロッシ。ともにホンダドライバーだ。ホンダはマニュファクチャラーとドライバー、両部門チャンピオンとなれるか? ポイント3、4番手にはシボレードライバー=パワーとニューガーデンがつけ逆転を狙っている。

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