続く2周目には、このレースで22ポイント獲得が必須……つまり逆転王座には表彰台しか望みのないイングラムが宿敵ターキントンをパスして、トレードマークとも言える猛チャージを開始し先頭集団への復帰を試みる。
4周目には後方集団でクラッシュが発生し、6周目にはマシン回収のためこの日初のセーフティカー(SC)が導入されると、リスタートからみるみるポジションを上げたトヨタ・アベンシスはついに表彰台の背後、4番手にまで浮上してくる。
カミッシュ、ニールのFK8シビック勢が逃げを打つトップグループに喰らいつきたいイングラムだったが、ここでその前方に立ちはだかったのはWSRでターキントンの僚友でもあるジョーダンのBMW。
最後の表彰台を懸けて再三、BMWへのアタックを続けるイングラムだが、タイトル経験者の老獪なディフェンスを前にオーバーテイクの機会は訪れず。そのまま17周が終了し無常のチェッカー。選手権首位のターキントンは13周目にBTCノーリンのダン・ロイド(FK2ホンダ・シビック・タイプR)とのバトルでコース外に弾き飛ばされ、完走車両中最下位となる22位フィニッシュとなったものの、2009年、2014年に続く自身3度目のドライバーズチャンピオンを手にした。
「まずはアンディ(アンドリュー・ジョーダン)にお礼を言わなくてはならないね。僕のタイトルとWSRのチームタイトルを獲得するためにハードに戦ってくれたんだから」と、チームメイトの奮闘に感謝の言葉を述べた新チャンピオンのターキントン。
「こんなひどい内容のレースでタイトル獲得を語るのは気が引けるが、それもすべてシーズン前半の頑張りがあったからこそだ。最高の終わり方ではないけど、僕らは勝ったんだ」
「今回のタイトル獲得がこれまでで一番特別な瞬間になった。BTCCが人生の一部であることに感謝しているし、僕を支えてくれた家族、チーム、そしてBMWにもお礼を言いたい」
残る2018年最終ヒートとなったレース3は、リバースポール発進となったパワー・マックス・レーシングのジョシュ・クック(ボクスホール・アストラBTCC)と、セカンドロウ3番手スタートの“元王者”サットンのスバル・レヴォーグGTが、MG6時代のチームメイト同士の接近戦を披露し、両車横並びのチェッカーとなる0.032秒の僅差でスバル・レヴォーグGTが勝利。これでサットンはランキングを4位に上げてシーズンを終えている。



