同じく新車の開発テストを担当したシュペングラーも「来るべきシーズンに向け、新型M4 DTMの開発テストを進めることができた。コンディションも一貫していてテストはうまく進んだし、多くのラップを消化することができて開発計画は順調な進捗をみせたと言えるね」と付け加えた。
テスト前月の11月末には、ブノワ・トレルイエ、アンドレアス・バッケルド、フレデリック・バービッシュ、マッタ・ドゥルディ、フェルディナンド・ハプスブルク、ジョナサン・アバディーンの6名が参加することを発表していたアウディスポーツは、12月に入ってからウイリアムズF1に所属していたロシア人ドライバー、セルゲイ・シロトキンの追加をアナウンス。
BMWと同じく2018年モデルながら、アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ、そして新カスタマーのチームWRT用となる2台のRS5 DTMが用意された。
こちらもDTMレギュラーのジェイミー・グリーンを基準ドライバーとしてテストに臨んだ7名のルーキーたちは、アバディーンが最多の220ラップを走破したのを筆頭にシロトキンが91周、トレルイエも70周を走り切るなど、総ラップ数600周を超えるマイレージを記録。充実の初走行を終えることとなった。
「僕は子供の頃からDTMをテレビで観戦していたから、このテストを本当に心待ちにしていたし、すごく興奮したよ」と語るのは、遅れてのテスト参加が決まったシロトキン。
「RS5 DTMのシートに座れたのはユニークな経験だったけど、実はかなりトリッキーだった。自分のスティントでは最後の最後まで完璧なフィーリングをみつけられなかったんだ」
「僕はこうした種類のレースカーをこれまで経験したことがなくて、一番近いと感じたのはF3だね。エンジニアとメカニックも僕を全力でサポートしてくれて、短い時間のなかでも快適に感じられるよう努力してくれた。改めてみんなにお礼を言いたい」
また、WorldRX世界ラリークロス選手権でトップドライバーとして活躍してきたバッケルドは、このRS5 DTMを「僕のキャリアにとって完全に新しい章となる経験」だと評した。
「事前にチーム・ロズベルグのシミュレーターを経験してきたとはいえ、このDTMマシンをトラック上で走らせるのは完全に異次元の体験だった。RS5 DTMのブレーキングをどれほど遅らせることができるかは完全に理解の範疇を超えていて、その点でジェイミー(グリーン)やレネ(ラスト)の助言に助けられたよ」


