佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はインディカー参戦10シーズン目を迎える。チームは引き続きレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング。
昨年ポートランドで見事な優勝を記録した彼は、テストではなかなかラップタイムを縮められずに苦労をしていたが、先にチームメイトのレイホール二世=グラハムがマシンを向上させ、琢磨は2日目の最後ギリギリで好タイムをマーク。マシンの感触も良くすることができたようだった。
ガナッシ、ペンスキー、アンドレッティの三強に肩を並べるべく、彼らはエンジニアリング部門をさらに強化。ふたりのドライバーが揃ってチャンピオンの座を争い、どちらかがそれを制することを目指している。
今回のテストでの彼らは、三強の一角を崩せるか否か……といったパフォーマンスを発揮するにとどまった。タイトル獲得には、今シーズン中にあと一段の進歩を遂げることが必要だろう。

COTAでのテストにおける各チームのパフォーマンスは、常設ロードコースにおける現在の実力を表していた。今年も三強と呼ばれるチームは皆強いということだ。
インディカー・シリーズはコースバラエティが豊富で、常設ロードコースの他にもストリートコース、ショートオーバル、インターミディエイトオーバル、スーパースピードウェイがあり、チャンピオンの栄冠を掴むことができるのは、どんなコースでも速いオールマイティなドライバーだ。
しかし、今年はフェニックスの1マイルオーバルがカレンダーから外れて代わりにCOTAが入り、最終戦はソノマからラグナセカに変わった。
インディ500と最終戦がダブルポイントなので、それらを2レースと考えてコースバラエティのスケジュールに占める割合を見ると、常設ロードコースのレース数は昨シーズンより1戦増えてる19戦中の8戦(次がストリートの5戦で、オーバルはスーパースピードウェイが3戦、ショートが2戦、1.5マイルが1戦)。
常設ロードコースで速いことがチャンピオン争いで最も大きなアドバンテージになる。シーズン第2戦がCOTAで、第3戦がバーバー・モータースポーツパーク。インディアナポリスのロードコースが第5戦と、シーズン序盤の6レースのうちの半分=3レースが常設ロードコース。
スタートダッシュを決めるにはこの手のコースでの速さが必須だ。しかも、チャンピオン争いが佳境のシーズン最終2戦はポートランド、ラグナセカのロードコース連戦で、しかも最終戦はダブルポイント。やはり常設ロードコースでの速さが最も大きな武器になる。今回のテストで上位につけた面々にはチャンピオンの目が十分にあるということだ。