EFOではなくFIA-F3の車両とはいえ、ポール・リカール・サーキットでテスト経験のある角田は、25日の合同テストでも26日の練習走行でも、常にトップをうかがうタイムを記録。「自己ベストタイムはチームメイトのリアムとほぼ変わらないし、練習走行3回目では決勝のシミュレーションもできた」と角田は満足そうだった。
27日の決勝レース1に向けた予選1回目ではトップと0.026秒という僅差の2番手。「正直悔しい。クルマもとくに問題は無いし、この週末をとおしてもっとも良い状態に仕上がっていた。最後のラップもある程度はまとまっていたし、納得のいかないラップでもなかった。強い風の影響もあったかもしれない。まあ、それほど悪い予選ではなかった」と苦々しい表情を見せながらも最後はやり切ったかのような言葉を残した。
同日の決勝レース1ではスタートの加速が鈍って3番手へ落ちるも、セーフティーカー(SC)明けに2番手へ浮上。3番グリッドからトップに立ったローソンと白熱したバトルを繰り広げて2位となった。「めちゃくちゃスタートが悪かった。そこでリアムに前へ出られてしまったのがすべて。レース半ばにはトップのリアムと争いになって、最終セクションのコーナーでは自分のクルマが決まっていたので抜ける感触はあった。実際に並びかけた。いまから考えるとあそこで行っちゃえば良かったかもしれない」と優勝は逃したが角田は笑顔を見せた。
28日の決勝レース2に向けた予選2回目の角田は3番手に留まった。「ポールを取れる自信はあったけれどまともに一周走れず、最終盤にみんながタイムを出してきたときも、前にドライバーが居て思うように走れなかった。クルマの何が悪いとかはとくに無い。ポールのタイムを見ても余裕で僕も行ける。普通に走れていたらいくらミスしてもあれくらいのタイムは出せていた」と悔しさをあらわにした。
同日の決勝レース2はスタート直後のストレートで、出遅れたポールシッターのローソンから幅寄せを食らって2台は接触。1周終了時点で角田は7番手まで後退した。

果敢な追い上げで一時は5番手まで順位を戻すも、レース後半はペースが落ちて6位に留まった。「スタート後のストレートで抜きに行ったところ、幅寄せされて当てられ順位を落としてしまった。その影響が出たのかどうかは分からないけれど、レース中盤はタイヤが厳しくースが落ちてしまった」と語る角田。ローソンには総合結果に3秒加算のペナルティが科されたが、順位が上がることは無かった角田は“やりきれない”といった表情を見せた。

