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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.05.28 20:15
更新日: 2019.05.28 20:16

ユーロフォーミュラ・オープン第3大会で日本勢連勝。レース1は佐藤万璃音、レース2は角田裕毅が制す

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海外レース他 | ユーロフォーミュラ・オープン第3大会で日本勢連勝。レース1は佐藤万璃音、レース2は角田裕毅が制す

 佐藤や角田の快走に比べると、これまで6位を最高位として入賞4回の名取の成績には物足りなさを覚える向きもあるだろう。チームメイトの成績は以下のとおり。ビリー・マンガーは28点でドライバーズ・ランキング7位、ニコライ・ケアゴは28点で同8位、名取は22点で同11位、クリスチャン・ハンは20点で同12位だ。

 もっとも、マンガーやケアゴはフランス・ポーで実施された第2大会の決勝レース2で、スタート直前に降り始めた雨でギャンブルを敢行、レインタイヤへいち早く履き替えて得た優勝と2位でランキングが上がったという背景がある。一方、名取もそのときレインタイヤへの履き替えをチームに訴えたが聞き入れてもらえなかった。

 ポーの大会以降、名取はチームに少々不信感を持っているようだ。第三者から見ても、同じスピース・エンジンを搭載するモトパーク勢とカーリン勢の予選タイムを比較すると、後者はつねに遅れている。

 ホッケンハイムではカーリン勢の4名が揃って0.6秒から0.9秒はモトパーク勢に突き放されている格好で、もはやドライバーの才能不足や経験不足という理由では説明しきれない。

「僕たち4名がどんなに頑張っても、モトパークには敵わない。HWAエンジンを使うテオ・マルティンやダブルRにさえ敵わない。たしかに僕たちにも足りない部分はあると思う。しかし、現状の1秒差は埋められない。ドライバーがどれだけ頑張っても0.2秒や0.3秒を補えるに過ぎない」と名取は至極まっとうな見解を述べた。

 もともとEFOにおけるカーリンは、カンポス・レーシングやRPモータースポーツの後塵を拝してきた歴史があり、イギリスF3やユーロF3でタイトルを争っていたレース・オペレーション部隊とは異なるという事情もある。名前はカーリンながらも、EFOにおいては決して有力チームと言えないのが現実である。

「ドライバーからチームへはいろいろと提案している。しかし、僕たちドライバーは経験も知識も浅いとチームからは思われているのか、容易には聞き入れてもらえない。カーリンにはカーリンのやり方があると、ドライバーからの提案はあっさり却下されているのが実情」と名取はうなだれる。

 2017年のFIA-F3ヨーロピアン選手権(ユーロF3)では、ほぼ同じクルマでランド・ノリス(現マクラーレンF1ドライバー)にドライバーズ・タイトルを取らせたカーリン。チームの名前は同じながら、クルマに関するデータがきちんとEFOへ受け継がれているのかは微妙なところ。名取をはじめとするカーリン所属ドライバーの苦戦は目を覆うばかりと言える。

 第3大会終了時点のEFOドライバーズ・ランキングは、104点(2勝を含む4表彰台、2ポールポジション、1ファステストラップ)の佐藤が首位、89点(2勝を含む3表彰台、2ポールポジション)のローソンが2位、80点(1勝を含む3表彰台、1ファステストラップ)の角田が3位。名取は22点で11位。なお、EFO第4大会はベルギー・スパフランコルシャンで6月7~9日に実施される。


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