チャンピオンを争うミケリスとグエリエリがフロントロウで迎えたレース3は、3番手スタートのマイケル・アズコナ(セアト・クプラTCR)、1周目で21番手から3番手までポジションを上げたヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が四つどもえのトップ争いを繰り広げた。
トップ4台のうち、アズコナとグエリエリは5周目の11~12コーナーで接触。ここで負ったダメージが原因でグエリエリはレース終盤に複数回のピットインを強いられたため、この時点でミケリスがチャンピオンをほぼ手中に収める状態となった。
このレース3は終盤までアズコナがラップリーダーだったものの、ファイナルラップ目前の11周目、最終コーナーでクリストファーソンがオーバーテイクに成功してトップ浮上。そのまま逃げ切って優勝を飾った。
2位チェッカーはアズコナ、以下ケビン・チェコン(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)、フレデリック・バービッシュ(アウディRS3 LMS)、ミケリスと続いたが、2位アズコナにはグエリエリとの接触により30秒ペナルティが与えられ14位まで降格となった。
グエリエリは「ミラクルを信じて」最後まで走行を続けたものの22位に終わり、繰り上がり4位となったミケリスが2019年シーズンのWTCRチャンピオンに輝いた。ヒュンダイ陣営としては2018年のガブリエル・タルキーニに続き2年連続の王者輩出となった。
一方チームチャンピオン争いでは、2019年シーズンからWTCRを戦うLynk&Co陣営、ミューラーとビョーク要するシアン・レーシングLynk&Coが628ポイントを稼ぎ出し、タイトルを手にしている。
このWTCRセパン大会にKCMGからスポット参戦したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)はレース1で5位入賞を果たしたほか、このレース1で2分29秒887のレースファステストも刻んでみせた。
レース2~3は雨あしが強かったこともあり、このレースファステストを上回るドライバーはなく、オリベイラはその週末のベストラップドライバーに贈られるタグ・ホイヤー・ベストラップ・トロフィーを受賞している。