「2006年の(チェコ共和国)ブルノでの初勝利は昨日のように覚えている。その後の数シーズンも夢のようだった。とくにシボレー・ワークスとは素晴らしい時間を共有し、アラン・メニュ、イバン・ミューラーという信じられないほどタフなチームメイトを相手に、2012年にはワールドチャンピオンのタイトルを獲得できたんだからね」
「それに、ラーダに移籍してマカオでラップレコード樹立と勝利を飾ったことも、また別次元の挑戦だった。2017年にシトロエンをドライブして、マカオでの前輪駆動最速ラップを記録したけど、その後何年かはレコードホルダーでいることもできた」
「そしてこの2年間、SLRとフォルクスワーゲンは僕のホームであり、いくつかの浮き沈みを乗り越えて素晴らしい時を過ごした。我慢のシーズンを経て3カ月前のマカオでポールポジションを獲得したときは、本当に信じられない気分だった」
「今後、僕は確実に新たなチャレンジに向かうことになる。自分のキャリアを再編して、次のことを始めるいい機会だと考えているんだ。当面の焦点は、中国でのツーリングカー選手権になるだろう。僕自身もいくつかのレースを戦いつつ、同時に新たな才能の発掘と育成にも力を注ぎたい」
「そして昨年、それほど多くを実現できなかったのがヒストリックカー・レースの分野にも積極的に関わりたい。僕はその世界を本当に愛しているんだ。それに、スポーツカーやGTのカテゴリーにも少し時間が割けるようになるだろう」
「これは僕のキャリアの新たな章の幕開けであり、将来的にもっとツーリングカーでのレースを楽しむ機会もあるはずだ。ワールドツーリングカーの旅に参加してくれた多くの人々に感謝したいし、家族や友人の支援がなければこれほどのことは成し遂げられなかったはずだ。本当にありがとう」
シリーズから離れるチームやドライバーが多くなっているWTCRだが、ホンダ陣営でエースチームとなるミュニッヒ・モータースポーツは、KCMGの実働部隊を引き継ぎ4台のオペレーションを担当することを発表している。
2019年はエステバン・グエリエリ、ネストール・ジロラミの2台体制で挑んでいたホンダ陣営のミュニッヒ・モータースポーツは、2020年シーズンに向けKCMGの参戦枠を引き継ぎ、WTCRのグリッドに並ぶFK8ホンダ・シビック・タイプR TCR全車のオペレーションを担当することが確実となった。
WTCRには、マニュファクチャラー1社につき投入できるマシンを最大4台、1チームあたり2台までとする協定が存在する。そのためミュニッヒは参戦エントラントを分けることで4台のオペレーションを行うとみられる。同様の手法はLynk&Coやヒュンダイ・モータースポーツも採用してきた。
この4台は、現状2020年のWTCR参戦を公式に表明している唯一のエントラントであり、Lynk&Coとヒュンダイは3月末の公式プレシーズンテストの日程に合わせて、プログラムを発表する予定となっている。


