そのままファイナルラップを走破した先頭集団は、エルラシェール、グエリエリ、ラングフェルドの順でチェッカー。4位ミケリスの背後にはタッシが続き、バトルでの攻防で消耗したジロラミは8位まで順位を下げてゴールラインをくぐっている。

 続くレース2は予選トップ10リバースグリッドで最前列を確保したタッシが好スタートを決め、3番グリッドに着けたベンス・ボルディズ(クプラ・レオン・コンペティションTCR/Zengő Motorsport)がダッシュを見せるも、その前に立ちはだかったのがタッシのチームメイトであるティアゴ・モンテイロ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)。

 バーチャル空間での走行距離は「まだ初心者レベル」というモンテイロは、オープニングの攻防でアズコナに2番手を譲ったものの、その背後にいるライバル勢を押しとどめるかのようにディフェンシブな走行に徹し、2周目に入る頃にはタッシのシビックがマージンを築くのを助け、直後にマット・オモラ(ヒュンダイi30 N TCR/BRC Racing Team)、3周目にミケリス、グエリエリ、ジロラミらにかわされるまで老獪なアシスト役を演じて見せる。

 これで楽になったハンガリー出身のヤングドライバーは、2018年TCRヨーロッパ王者アズコナとのバトルに集中できる展開となり、ポジションを守ったまま0.793秒差でフィニッシュ。チームメイトの助けを得てPre-season Esports WTCR Championshipでの2勝目を飾った。

「何よりもティアゴに大きな感謝を捧げたい。今後、必ず彼にビールの一杯でも奢らせてもらわないとね(笑)。ティアゴがボディガード役をしてくれたおかげで、僕は2周目からミスを犯さず100%のアタックをすることができた」と、レース2を振り返るタッシ。

「タイヤのケアをしながら後続との距離を見ていたけど、ミケルとその背後にいたマットが僕に迫っているのも分かっていた。でもギャップは充分だったし、2度目の勝利にはとても満足している。このまま残るeシリーズでもリズムを保っていきたいね」

 この結果、オモラを逆転したグエリエリが4ポイント差で選手権首位に立ち、勝利を挙げたエルラシェールが3位に急浮上。以下ミケリス、タッシと続くオーダーに変わっている。

 続くPre-season Esports WTCR Championship第4戦は、7月5日(日)に仮想空間の中国・寧波インターナショナル・スピードパークを舞台に争われる。

レース2はリバースポールを奪ったアッティラ・タッシ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)が、チームメイトの助けも得てレースを支配
レース2はリバースポールを奪ったアッティラ・タッシ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)が、チームメイトの助けも得てレースを支配
ノルベルト・ミケリスはレース2でも終始、ホンダ勢とのバトルを強いられる展開となった
ノルベルト・ミケリスはレース2でも終始、ホンダ勢とのバトルを強いられる展開となった

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