続いてトップ10リバースグリッドからのスタートが切られたレース2は、最前列に並んだマウリシオに対し、2番手発進のフリオ・カンポス(クラウン・レーシング)がアグレッシブなアタックを見せ並びかけるも、2冠の元王者マウリシオがこれを封殺。そのバトルの余波で3番手発進だったアラム・コデア(ブラウ・モータースポーツ)がカンポスのリヤにヒットし、クラウン・レーシングのマシンはリヤバンパーを失うなど、シボレー同士での痛いアクシデントを引き起こしてしまった。
その後、義務ピットのウインドウが開こうかというレース中盤のタイミングで、ラモスのカローラがクラッシュを喫す。セーフティカー導入の機運を察知した各陣営が、一斉にピットロードヘと雪崩れ込んでいく。
するとここであわやの事故を引き起こしたのが名門ユーロファーマRCで、首位マウリシオは停止位置でロックし交換するはずだったニュータイヤの1本にヒット。弾かれたタイヤがチーム代表のフェイスイールドをかすめるという、危機一髪の状況を招いてしまう。
これでピットロード出口で先行したのが4番手にいたバリチェロで、リスタート後もステイアウトした隣国アルゼンチンのトップドライバー、マティアス・ロッシ(フルタイム・スポーツ)の背後で暫定首位をキープしたものの、迅速な緊急対応を見せたユーロファーマRCもマウリシオをバリチェロのすぐ後ろで送り出すと、12周目にはコース上でポジションを奪い返し、約5秒のマージンを築いてフィニッシュラインへ。ピット作業の困難も乗り越え、苦しんできたシボレー・クルーズに今季初優勝をプレゼントした。
「ピットでの一件は本当に申し訳なく思う。でも昨年もここでレース2を制していて、まったく同じ戦略で臨んだことが功を奏した。レース1は勝負できる位置にはいなかったから、2本交換に留めてこのヒートでうまく機能するようにしたかったんだ」と振り返った勝者マウリシオ。
「この20年型モデルはダウンフォースが少なく、タイヤが消耗しやすい。温存していた“FAN PUSH(SNSファン投票で使用上限回数の決まるオーバーテイクボタン)”も活用してピット前にチャージを掛け、なんとか勝つことができた。まだ選手権争いに踏み止まれて良かったよ」
2位バリチェロに続き、3位チェッカーを受けたのはピケJr.だったが、オーバーテイク時のアクションが危険と判断され5秒加算ペナルティで4位に後退。代わってバトルの当事者だったブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ)が最後のポディウムを獲得している。
この結果、週末を11位、13位で終えたゾンタが選手権首位から陥落し、チームメイトでもあるバリチェロが表彰台獲得の大量点を加算して5点差で新たなポイントリーダーに浮上。2位ゾンタの背後を1点差でシボレーのマウリシオが追う展開となっている。
残る2020年シーズンの開催地はほぼ大部分が発表され、続く第5戦は同じくパラナ州カスカバルでのダブルヘッダー戦を予定。10月3~4日の週末にそれぞれ予選・決勝が争われる。