すると6周目にはそのベアトとテディ・クレーレが接触し、クレーレ兄弟はともにアクシデントで好機を逃し、さらに2周後にはハルダーとオモラが2度のコンタクトの末にクラッシュ。

 そんな大荒れの展開にも助けられ、ブリシュが3.225秒までマージンを築いて10周のトップチェッカー。2位ロイドに続き、危うい場面を切り抜けたベアトが3位表彰台を確保。さらに4位にはフィリピを仕留めた地元のジェルミーニが続くリザルトとなった。

「セカンドロウからのスタートはあまりうまくいかなかったんだけど、ベナーニとクレーレのアクシデントで本当に良い展開になった。ロイドの背後2番手の状況からクルマは最高のパフォーマンスを発揮してくれて、簡単にパスすることができた。序盤2戦の不運を思うと、自信を取り戻すために必要な勝利だった。ここからが僕らのスタートだ」と、喜びを語ったブリシュ。

 明けた日曜のレース2は、リバースポールシッターのフィリピをかわしたハルダーが先頭で1コーナーに飛び込むも、このシケインを4番手でクリアしたオリオラがオープニングラップで先行する3台をまとめてパスし、トップでコントロールラインを通過していく。

 その背後では再びマルチウェイ・バトルが勃発し、ハルダーはスプリッターを破損しリタイア、ロイドもベナーニとのバトルでパンクを喫しマシンを止めると、前日の予選最速男はオモラにもヒットし、ヒュンダイはたまらずロッジアを直進することに。

 そんな混乱に乗じて後方から1台、また1台とかわしてポジションを上げたのがブリシュで、プジョーの勢いは衰えることを知らず、首位オリオラのマージンさえ削っていく。

 しかし10周スプリントのレース距離では、わずかに0.152秒届かず。オリオラが薄氷のシリーズ初優勝を決め、ブリシュが2戦連続ポディウムの2位、そして3位にはロッジアの攻防から帰還したオモラが入った。

「個人としてもチームのためにもうれしいし、JASモータースポーツにとってのホームレースで勝利を飾れるなんて最高だ。突然ボンネットが開く不運から始まったシーズンだけど、全員が懸命に働き、この結果に値する仕事をした。自分の能力を疑う瞬間もあったけれど、ドライビングの仕方について理解を失っていないことを、自分自身とほかのすべての人に証明できたと思う」とオリオラ。

 これで折り返しの3戦を終えたTCRヨーロッパ・シリーズは、レース1で2位のロイドが選手権首位をキープ。続く第4戦は10月10~11日に勝者オリオラの故郷、スペイン・バルセロナでの勝負が待ち受ける。

レース2のスタートでホールショットを奪ったマイク・ハルダー(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Profi Car Team Halder)
レース2のスタートでホールショットを奪ったマイク・ハルダー(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Profi Car Team Halder)
しかし、パラボリカ進入までにシビック対決を制したペペ・オリオラ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Brutal Fish Racing Team)が主導権を握る
しかし、パラボリカ進入までにシビック対決を制したペペ・オリオラ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/Brutal Fish Racing Team)が主導権を握る
ともに不運を乗り越えての勝利に健闘を称え合うペペ・オリオラ(左)とジュリアン・ブリシュ
ともに不運を乗り越えての勝利に健闘を称え合うペペ・オリオラ(左)とジュリアン・ブリシュ

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