これで勝者ビビアンがポールポジションを確保し、ルノーのミラと並んでスタートが切られた40分+1ラップの日曜フィーチャーレースは、その背後に控えたホンダ・シビックがスタートと同時に一閃。グリッド上でストールを喫したルノーばかりか、TGRカラーのトヨタをもかわしてホールショットを奪っていく。

 一方その後方では、6番手発進だったロッシも抜群のスタートを決め、オープニングラップを終えたところで3番手にまで浮上してくる。

 さらにその後ろでは、第2戦で圧巻の連勝劇を披露したシボレーYPFチームの2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が、ファビアン・シャナントゥオーニのホンダを仕留めロッシに迫る勢いを見せたことから、トヨタ陣営はビビアンに指示を出し、すぐさまロッシを前に行かせ防衛ラインを展開する。

 ここでホンダ追撃の強い意思を示したロッシは、今季から実装された“プッシュ・トゥ・パス”を活用してホームストレート上の勝負で首位浮上に成功すると、反撃に転じたいアルドゥソのシビックはなんとシステムの故障によりオーバーテイク機能が反応せず。これでビビアンにも先行を許し、トヨタがワン・ツー体制を構築する。

 セーフティカーの絡んだ終盤にはベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)がペースの落ちたチームメイトを捉えて最後の表彰台を手にし、カナピノは最終的に7位まで後退。プッシュ・トゥ・パスを失ったアルドゥソもなんとか6位でフィニッシュする苦しいレースとなった。

 これで楽になったロッシは1秒のマージンを維持しながらトップチェッカーを受け、病み上がりの復帰戦で見事に優勝。選手権首位ペーニャに4ポイント差のランク2位に返り咲いた。

「今週末は本当に順調で、トヨタ・カローラのレースペースは並外れていた。COVID-19感染で1ラウンド欠場の不運があっただけに、良いポイントを獲得できて最高だ。シケインで僕に道を譲ってくれたフランコにもお礼を言いたい」と、喜びを語ったロッシ。

 依然としてカレンダーの開催地が未確定のまま進んでいるSTC2000の2021年シーズンだが、続く第4戦はブエノスアイレス近郊に位置する高速トラック、サン・ニコラスで5月1~2日の週末に争われる。

2017-18年シリーズ連覇のファクンド・アルドゥソ(ホンダ・シビックSTC2000)はプッシュ・トゥ・パスが機能せず
「フランコはイン側でラインをキープし、僕に明確なサインを送ってくれた」と勝者マティアス・ロッシ
COVID-19療養明けのロッシが、選手権首位ペーニャに4ポイント差のランク2位に返り咲いた

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