「この週末にシルバーストンで目撃した新開発ハイブリッドの成果を、我々は皆喜んでいる。このクルマは我々が望むすべてを達成したからね。主な目標は、週末の『レース・シークエンス』全体を無事に経験することだった」と、改めてその狙いを解説した同氏。

「マシン、システム、そしてパートナーであるコスワースとMスポーツに、レースウィークエンドがもたらす“ストレステスト”を実施したようなものだ。競争の激しいライフサイクルの最初の段階ではあるが、現行のNGTC規定車とのパフォーマンスを比較し、全体として非常に成功したデモンストレーションになった」

「2022年シーズンの完全な導入に先立ち、ハイブリッド・プロジェクトの開発サイクルは(BMW125i Mスポーツ・ハイブリッドも含め)次のフェーズに進んでいくだろう」

 またBTCCは、過去26年間にわたりノーブランドのガソリン供給を担当してきた地元石油企業ホルターマン・カーレス社と2022年から2026年までの新たな供給契約を締結し、ここ数か月の入札プロセスを経て「新しい、より持続可能な新燃料に移行する計画」をアナウンスした。

 この『Hiperflo R20(ハイパーフローR20)』と呼ばれる燃料は、9月初めにイギリス市場で導入された新しいE10燃料よりも「さらに環境負荷が低い」とされ、15%の第2世代エタノール含有量と、5%の再生可能炭化水素を含む合計20%の再生可能成分を特徴としている。

 すでにMスポーツを筆頭に、名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のBMWエンジンや、ホンダ系トップチームのチーム・ダイナミクスのエンジンチューンを手掛けるニール・ブラウンや、フォード系のマウンチューンなども、パフォーマンス低下がないことを確認する新燃料の小規模バッチテストを実施したという。

 また、2022年に向けては新たな視覚信号システムの導入も計画され、オフィシャルやレースコントロールより、各車両のダッシュボード上にイエローフラッグゾーンやレッドフラッグによるセッション停止を通知することが可能な、新ビジュアルシステムを搭載する。

 これにより、ドライバーにはトラック制限を超えた場合の警告や、セーフティカーをトラックに送り出すかどうかの導入タイミングも告知され、システムはトラックサイドにある従来の旗やライトボードと一緒に運用される。

「これはBTCCドライバー、そしてトラックサイドのマーシャルにとって非常に重要な安全性の強化であり、我々の大切なサポート選手権(ポルシェ・カレラカップGB、ミニ・チャレンジ、ジネッタJr.チャンピオンシップなど)でも採用される」と前出のアラン・ゴウ。

「この重要なセイフティ・ツールは、安全プロトコルの本質的な部分であり続ける従来のフラッグシステムを補完する存在であり、置き換えるものではないことは強調しておきたい」

トヨタ・カローラBTCCハイブリッドのボンネットとリヤバンパーには“M-Sport”ロゴとエンジンのイラストが入った
来季2022年のシステム導入に先立ち、今後もBMW125i M-Sport Hybridとともにテストを継続していく
その2022年からは、新燃料とともに車載型の新たな視覚信号システムの導入も計画される

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