明けた日曜には、マウリシオのチームメイトでこちらも3冠を誇るダニエル・セラ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)がひとり遅れた状態で戦列に復帰。この週末は北米フロリダ州で、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のシリーズ開幕戦でもあったセブリング12時間の最後の数日間を過ごし、プログラムでの旅を終えたセラはすぐにゴイアニアに向け帰郷。日曜ぶっつけ本番でレースに挑むこととなった。

 これで全34台が並んだグリッドからポールシッターとしてスタートを切ったバリチェロは、必須のピットストップウインドウ期間を除いて、オープニングヒート全体でリードを維持。セカンドロウ3番手発進のセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)と、シボレー勢で気を吐くカンポスを従え、まずは最初の勝利を手にした。

 そしてリバースグリッド10番手発進となったレース2でも、トラック上でチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)らを仕留め、競争力あるレースペースで早々に上位進出を果たすと、19周目のルーティン作業で首位奪取に成功。そのまま同地最多勝を争うマウリシオと、前日FPの車両火災から復活のディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)、そして16番手から4位まで躍進した千両役者セラを抑え切り、ゴイアニア通算8勝目とキャリア20勝の大台に達する週末“ハットトリック”を達成してみせた。

「なんて瞬間、なんて素晴らしい週末だろう……ひとつのレースウイークでこれほどの成功と勝利を収めただなんて、記憶にないほどだよ!」と喜びを爆発させたバリチェロ。

「この勝利は僕の息子たちに捧げたい。チェッカー後の無線では(次男の)フェフォが祝福してくれた。2000年のホッケンハイム(フェラーリF1での初勝利)でも僕はうれしくて大泣きしたが、今日はそのときよりもう少し泣けたかもしれないね」と、この5月には50歳を迎える鉄人。

 この結果により、ディフェンディングチャンピオンで開幕“ダブルス”勝者のガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)と、ランク2位のカミーロに次ぐチャンピオンシップ3位に浮上したバリチェロ。続くSCB第3戦はリオデジャネイロ・グアナバラ湾に浮かぶ最大の島、ゴヴェルナドール島に位置するアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(旧ガレオン国際空港)の設備を活用した、シリーズ史上初となる“エアポート・レース“が4月9~10日の週末に争われる。

ルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)が日曜レース1で盤石のポール・トゥ・ウイン発進を決める
ルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)が日曜レース1で盤石のポール・トゥ・ウイン発進を決める
開幕“ダブルス”勝者の王者ガブリエル・カサグランデ(A.Mattheis-Vogel/シボレー・クルーズ)は5位が最上位
開幕“ダブルス”勝者の王者ガブリエル・カサグランデ(A.Mattheis-Vogel/シボレー・クルーズ)は5位が最上位
「この勝利は僕の息子たちに捧げたい」と語り、次男とともに喜びを分かち合ったルーベンス・バリチェロ
「この勝利は僕の息子たちに捧げたい」と語り、次男とともに喜びを分かち合ったルーベンス・バリチェロ

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