「フィールドの最上部には、ますます多くのドライバーがいる」と語ったラッコ。
「予選では10分の1秒以内に3台か4台が並ぶんだ。これは5.5トンのモンスターにとって真に印象的な展開で、このETRCのレースがふたたび素晴らしい競技レベルにあることは明らかだね」
そのチームは2022年に向け車軸(アクスル)周辺とブレーキシステムの改善に取り組み、信頼性に重点を置きながらエンジンパワーもわずかながら増加させている。
そしてシリーズ6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが運営するチーム・ハーン・レーシングや、チーム・シュバーベントラックが走らせるイベコS-WAY・レーシングトラックスも姿を見せ、シリーズを代表するばかりか「FIA格式選手権でもっとも成功を収めたドライバーのひとり」と称されるステファニー“シュティフィ”ハルムとともに、今季第4戦のドイツ・ニュルブルクリンクでのデビューを予定する女性ドライバー、エマ・マキネンも初めてそのステアリングを握った。
さらにモストから離れたフランス南部ノガロ・サーキットでは、イギリスに拠点を置くTスポーツ・ベルナウ陣営がプライベートテストを実施。チームにとってより便利な場所であると同時に、過去2年間で多くのテストをこなしたトラックで、新しいカラーリングを採用したマンは有意義なデータ比較を行えたという。
そのTスポーツ・ベルナウでエースを務めるアントニオ・アルバセテも、2日間のテスト期間中に「エンジン、ギアボックス、ブレーキ、ステアリングコンポーネントなどのシステムチェックをし、狙いどおりいくつかの課題が見つかったが、全体的にセッションの結果に満足しており、チーム全体が懸命に取り組んでいる」と、新年度に向けた手応えを語っている。
こうした強豪がディフェンディングチャンピオン、ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)に挑む全8戦32ヒートの2022年ETRCシーズンは、5月21~22日イタリア・ミサノのワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで幕を明ける。


