名門WSRで長年エースを務める男の言葉どおり、迎えた日曜最初のヒートからフロントロウの僚友ヒルに先んじてターン1のホールショットを奪うと、最初はインフィールドにマシンを止めたマイケル・クリース(カーストア・パワー・マックスド・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)により、続く2回目はジョシュ・クック(リッチエナジー・BTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)とエイデン・モファット(レーザー・ツールズ・レーシング/インフィニティQ50 BTCC)が絡むアクシデントにより、都合2度のセーフティカーが導入されるも、その都度リスタートで盤石の反応を見せたターキントンが前線から物事をコントロール。まずは“ライト・トゥ・フラッグ”で最初の勝利を収めてみせた。
続くレース2でもポール発進を決めたターキントンは、オープニングラップこそふたたびヒルとのサイド・バイ・サイド、瞬間的にはポジションを入れ替えながらの好バトルを繰り広げるも、ホームストレート帰還時点で首位を維持した元チャンピオンが、貫禄の走りでふたたびのトップチェッカー。2位のヒルに続き、3位にイングラム、4位アダム・モーガン(カーガッツ・ウィズ・シシリー・モータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)、5位ステファン・ジェリー(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)と、前ヒートとまったく同じ顔ぶれのトップ5となった。
「夢のような週末だし、リードしているときでも簡単なことなんて何もないんだ。それに、今回のコクピットは僕の人生で『もっとも暑い』環境だったことは間違いないね!」と、まずは連勝の喜びを語ったターキントン。
「チームはこのスネッタートンで本当に速い3シリーズを用意してくれた。そう、過去3年間と同じようにね。このチャンピオンシップでうまくやるためには、自分のゲームのトップに立つ必要があり、チームには他にも2名の速いドライバーが所属していて、お互いを次のレベルへと引き上げているんだ」
「速いチームメイトがいることはときどき苦痛だが(笑)、それは僕らにも利益をもたらす。僕らはいつも限界に挑戦しているし、500レースは大きな節目であり、今日はそのご褒美だ。これまでのキャリアとBTCCでの成功にとても感謝しているけれど、僕はまだまだ『ハングリー』だよ」
週末最終ヒートのレース3は、リバースポール発進となった王者サットンがダニエル・ロウボトム(ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)らのチャレンジを退け、最終的に2位表彰台を得たジェイソン・プラト(リッチエナジー・BTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)を4.556秒引き離してフィニッシュ。
プラトは自身650戦目を表彰台で飾る結果となり、3位には今季よりスピードワークス・モータースポーツ加入のリッキー・コラード(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGR Sport)が続いたものの、レース後の長い審議の末にイングラムとの攻防が“クロ”と判断され降格。最終的にヒョンデのイングラムが3位を奪回している。
この週末でランキング2位につけるイングラムとのポイント差を15点に広げた首位ターキントン。続くBTCC第8戦は、ふたたび2週間の間隔を空け8月27~28日にスラクストンで争われる。