その競技車両には、前述のとおり新機軸の電子ドリフトブレーキが搭載され、フォード本社とRTRは2024年型マスタングの発売に向け、セグメント初の機構を開発するべく協力体制を敷いてきた。
「チェルシー(・デノファ)と僕は、フォードの情熱的なエンジニアリング・チームと協力して開発できたことを光栄に思っている。僕らの目標は、間もなく同じ第7世代のマスタング・オーナーになる人々の顔に、より大きな笑顔をもたらすことだった」とギッティンJr.。
この電子ドリフトブレーキは、先代同様2.3リッターの直列4気筒エコブースト搭載車と、5.0リッターV8搭載車に装備される“マスタング・パフォーマンス電子パーキングブレーキ”の一部(AT/MTともに利用可能なパフォーマンスパックの一部)で「従来の機械式ハンドブレーキの視覚的な魅力と機能性を備えた、後輪駆動マスタングのドリフト能力を解き放つ、まったく新しい、セグメント初の、トラック専用の電子ドリフトブレーキ」だと謳われる。
その機構はRTRの競技車両にも採用される油圧式ハンドブレーキを高度な電子機器でエミュレートし、従来の機械式パーキングブレーキ・システムの3倍以上の制動力を備えるという。
量産モデルのブランドマネージャーを務めるフォードのジム・オーウェンズは、初心者は電子ドリフトブレーキを使用してドリフトを学び、のちにシステム設定を変更してトラックのみの競技で使用することも可能な、この新機軸に対し「ほぼすべての人が、ギッティンJr.のようなドリフトを決めることが可能になる」とアピールした。
「マスタングはつねに、オンロードでの自由度とサーキットでのパフォーマンスを代弁してきた存在だ。史上初の電子ドリフトブレーキは、サーキットでの楽しさとその能力に、まったく新しい次元を追加するものとなるだろう!」



