こうして始まったカップ戦のオールスターは、最初のプラクティスから5号車のカマロZL1が最速タイムを記録。チェイス・エリオット(現在は復帰)やアレックス・ボウマンなど、立て続けに負傷欠場が続くHMS陣営のなかにあって「インディ参戦決定で、従来よりもさらに細部に目を向け気を配るようになった」と語るラーソンが、その意気込みを表現するような速さを見せる。
続くピットクルー・チャレンジではJGRがギブスをポールに送り込み、各ヒートレースではダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)とクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)がポールから勝利。それぞれ本戦のインサイドとアウトサイドの最前列を射止める。
迎えた日曜のオールスター・オープンでは、序盤こそギブスがリードを維持したものの、終盤戦にマイケル・マクドウェル(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)からの『報復』を受けたギブスはボトムに追いやられ、その間隙を突いたHMSのベリーが残り23周で逆転。「ああ、とても安心したよ」と、今季カップでは負傷続きのレギュラーに代わってピンチヒッターを務めてきた男が、待望の勝利を手にする結果となった。
これでベリーとギブス、そしてファン投票で選出されたノア・グラグソン(レガシー・モータークラブ/シボレー・カマロ)らが24台で争うオールスター・レースへと進出。ここで序盤から動いたのが16番手発進だったラーソンで、最初のコーションから“4タイヤ”のフレッシュラバーを選択する。
ピットロード出口のスピード違反でペナルティを受け、さらに後方からのリスタートを強いられたものの、早くも55周目にはスアレスを捉え、ここでラーソンが実質的に勝負を決めてしまう。
これで中盤100周のブレイクを挟んで、最終的に145周を牽引した2021年チャンピオンが、シャーロットとテキサスに続いて3回目のオールスター戦制覇を達成した。
「それが何を意味するのかさえわからないよ!」と、土曜のクラフツマン・トラック・シリーズも制していたラーソン。「これは僕にとって3回目のオールスター勝利であり、3つ目の異なるトラックだ。こんな歴史的な場所で、そしてメンバーとファンのおかげで、とても素晴らしい週末になったよ」
その土曜開催のシリーズ戦にて、今季初の2台体制を敷いた服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)は、61号車としてエントリーしたカップ戦レギュラー、クリストファー・ベル(トヨタ・タンドラTRDプロ)が予選9番手からピットでのロスが響いて16位に。16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は、無念のクラッシュに巻き込まれ26位に終わっている。



