迎えた耐久決勝は2度のセーフティカー(SC)が出動する荒れ気味の展開となり、序盤のターン9ではガース・タンダー(デビッド・レイノルズ組/ペンライト・レーシング/フォード・マスタング)がドライブするGen3マスタングの左後輪が「何の予兆も、前触れもなく」脱落。

 タンダー自身も高速でコースオフしてグラベルにストップし、外れたホイールがジェームス・モファット(キャメロン・ウォーターズ組/ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)のリヤウイングに衝突し、修復作業を余儀なくされるなど、ここで最初のSCが導入される。

 26周目の再開以降は、パーキンスやマイケル・カルーソ(マーク・ウインターボトム組/チーム18/シボレー・カマロZL1)らを逆転したウインカップが首位に立ち、強力なリードを構築してフィーニーに引き継ぐ。

 しかし残り20周でステアリング故障を抱えたクルマがグラベルに止まり、ここで2度目のSC宣言に。これで首位のフィーニーは快適なリードを失い、ラスト18周の勝負でコステッキの猛攻にさらされる。

 その背後3番手には同じくエレバスのブラウン、そしてさすがの地力で後方から這い上がって来たSVGの97号車が続き、両陣営の直接対決構図が完成。ここで脱落を喫したのは先頭のフィーニーではなく3番手にいたブラウンの方で、残りわずか4周のところでミスを犯し「ほんのわずかなシフトダウンの操作が、大きな代償に繋がった……」とSVGに3位表彰台を明け渡すことに。

 これで158周中122周をリードした88号車がトップチェッカーを受け、導入初年度となるGen3時代最初の耐久戦を制覇してみせた。

「今日は最高だ。この感情を他に説明する方法はないね! 勝てたのはかなり特別だし、最後の状況は本当に厳しかった」と喜びを語ったフィーニー。

「決勝日だけじゃなく、週末を通してチームの全員が素晴らしい仕事をしてくれていたし、最高のステップに立つことができてとてもうれしいよ」

 そんなトップカテゴリー2年目の新鋭に対し、レギュラーシーズンからメンター役も務めるウインカップも「こうしてまたサンダウン500で優勝した気分は信じられないほどさ」と、愛弟子の成長に賛辞を贈った。

「僕はいつも、勝つときにはレギュラーだろうがコドライバーだろうが関係ないと言ってきたが、今もその気持ちは変わらない」と続けたセブン・タイムス・チャンピオン。

「ブロックが最後のスティントで果たした仕事を過小評価してはいけない。あれは背後の3台のクルマすべてが、彼の首根っこを掻き切ろうとするほど厳しいもので、まさに4つ巴の戦いだった。こういうビッグイベントで緊張を保つのは非常に難しいが、彼は素晴らしい仕事をしてくれたよ」

 前述のとおり、続くRSC第10戦もエンデューロ・カップの1戦となり、言わずと知れた“聖地”マウントパノラマでの祭典『レプコ・バサースト1000』が、恒例の10月5~8日に待ち受ける。

序盤のターン9ではガース・タンダー(デビッド・レイノルズ組/Penrite Racing/フォード・マスタング)の左後輪が「何の予兆も、前触れもなく」脱落。一方のケビン・エストーレ(マット・ペイン組/右)は6位フィニッシュに
好調アンドレ・ハイムガートナー(デイル・ウッド組/Brad Jones Racing/シボレー・カマロZL1)は5位に
「ほんのわずかなシフトダウンの操作が、大きな代償に繋がった……」と、残り4周で3位を失ったブラウン
「こういうビッグイベントで緊張を保つのは非常に難しいが、彼は素晴らしい仕事をしてくれたよ」と愛弟子を称えたウインカップ(右)

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