壮絶なレース展開となったカナダGP。決勝で交わされたドライバーとエンジニアの数々の無線の中から、テレビで放送された内容をお届けします。レース終盤、ギリギリの状況でトップを争うドライバー、チームの緊迫感が無線で読み取れます。
●L1
ジュール・ビアンキ←(エンジニアから)「ジュール、大丈夫か?」
→(ドライバーから)「ああ、OKだよ」
●L2
セバスチャン・ベッテル→「タイヤの内圧をチェックしてくれ。ずいぶんデブリを踏んでしまった」
セルジオ・ペレス←「ライン外を走ってくれ、その方がデブリが少ない」
●L5
ルイス・ハミルトン→「リスタートの時にもっとパワーがほしい」
←「ストラット5を1周だけ使え」
●L8
ニコ・ロズベルグ←「燃料はもう問題なく最後まで走り切れるよ」
●L10
セバスチャン・ベッテル←「セバスチャン、リヤタイヤをいたわってくれ」
バルテリ・ボッタス→「リヤタイヤにグレイニングが出ているよ」
●L13
ニコ・ロズベルグ←「例の“あれ”が燃費だけじゃなくタイヤとブレーキをいたわることにもなる」
●L19
ダニエル・リカルド←「トップはメルセデス2台、その後ろに1ストップのフォース・インディアが2台と、セバスチャン、ボッタスそして君の順だ」
●L23
セバスチャン・ベッテル→「(ヒュルケンベルグを)なかなか抜けない!」
●L26
セルジオ・ペレス→「このまま走ってて良いのか?」
←「今のところ問題ない。やっていることを続けろ。ギャップは広がっているよ」
ルイス・ハミルトン←「ニコは(ショートカットの件が)審議中だ。(追い抜きの)リスクを冒す必要はない」
●L29
セルジオ・ペレス←「我々はスティントを伸ばすことを考えているよ」
●L31
ルイス・ハミルトン←「ニコはペナルティなしになったが、これが最後の警告になった」
●L32
ニコ・ロズベルグ→「ブレーキバランスの情報をくれ。ルイスは僕よりも後ろ寄りか前寄りのどっちだ!?」
←「ルイスの方がリヤ寄り、君の方が前寄りだよ」
●L35
セバスチャン・ベッテル→「戦略をもっとスマートに考えなきゃ!」
●L37
ルイス・ハミルトン→「パワーを失った!」
ニコ・ロズベルグ→「まだ何も変わらないよ!」
←「チームメイトと同じトラブルを抱えている。今、解決するために手を尽くしている」
●L38
セバスチャン・ベッテル←「セバスチャン、スマートになれ。今はタイヤをセーブしろ。でないと最後まで走り切れないぞ」
→「どうしてステイアウトさせてくれなかったんだ!? ヒュルケンベルグがピットインすれば僕の方が速く走れたのに!」
●L41
ダニエル・リカルド←「早めに(スロットルを)リフトするな。エネルギー回生のためにはあまり良くない。燃料セーブの必要はもうないよ」
→「OK」
●L42
ニコ・ロズベルグ←「状況を説明する。2台とも同じトラブルだ。この問題を解決することはできないと思われる。3位が追い付いてきているから、ペースを上げろ。何か状況に変化があれば教えてくれ」
→「何も変わらないよ!」
●L47
ニコ・ロズベルグ←「ブレーキをいたわれ、チームメイトがトラブルを抱えている。今は完走することが第一だ」
●L50
セルジオ・ペレス←「ロズベルグをDRSで抜けるぞ!」
●L54
セバスチャン・ベッテル←「ダニエルのタイヤは最後の10周でタレるかもしれないから、タイヤをセーブしておけ」
ダニエル・リカルド←「オーバーテイクするのに最適だと思われる場所を教えてくれ。そこに合わせてエナジーをコントロールするから」
●L55
フェリペ・マッサ←「フェリペ、(ボッタスに)プレッシャーをかけろ。早めに抜く必要がある。バッテリー残量が低くなってきている」
→「僕の方が圧倒的に速いって彼に伝えろ!」
●L60
フェリペ・マッサ←「君のタイヤの方が前のヤツらより10周以上新しいぞ」
●L65
セルジオ・ペレス→「ブレーキが壊れた! ブレーキが効かない!」
←「BBWをリセットしてくれ。BBWスイッチをオン&オフするんだ。もし心配ならピットインしろ」
●L66
セルジオ・ペレス←「リカルドがDRS圏内に入ってきた。プッシュしろ」
→「ブレーキが効かないのにどうしろって言うんだ!?」
←「ブレーキバランスを前寄りにしろ。2クリック前寄りにするんだ。リカルドをプッシュしろ、抜けるぞ!」
●L70
ダニエル・リカルド←「よくやった、これでレース優勝だ。(SCラップタイムの)デルタだけプラス数値のままになるよう注意して走ってくれ」