F1第11戦ドイツGPの決勝がホッケンハイムリンクで行われ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが今季2勝目を挙げた。2位もフェリペ・マッサが入りフェラーリは開幕戦以来となる1-2フィニッシュを達成。3位はセバスチャン・ベッテル。BMWザウバーの小林可夢偉は11位、HRTの山本左近はリタイアに終わった。
2年ぶりのレースを迎えたホッケンハイムは決勝日も曇り。気温22度、路面温度は35度、湿度44%というコンディション。スタートのグリッドではフォース・インディアのエイドリアン・スーティルとヴァージンの2台がペナルティによりそれぞれ5グリッドの降格となった。
レースは、スタートでフェラーリ2台が鋭いダッシュを見せ、アロンソを警戒したベッテルの隙をついてマッサがトップに浮上。2番手にもアロンソが続いてフェラーリがいきなり1-2態勢を築いた。一方、レッドブル勢はベッテルが3番手にポジションを下げ、マーク・ウエーバーもルイス・ハミルトンに抜かれて5番手に後退。6番手以下はジェンソン・バトン、ロバート・クビカ、ミハエル・シューマッハーが続き、12番手スタートの小林可夢偉も2つポジションを上げて10番手でオープニングラップを終えた。後方では、トロロッソのセバスチャン・ブエミが他車との接触でレース早々にリタイアを喫した。
スタート後のマッサは、チームメイトのアロンソとともに安定した走りを見せ、3番手ベッテルとの差を着実に築いていく。4番手のハミルトンはペースが上がらず徐々に前の3台から離される格好となり、ハミルトン以下のウエーバー、バトンといったドライバーも10周目にはトップから8秒以上も離されてしまった。
13周目、4秒近くリードを広げられた3番手のベッテルが最初にピットインを行うと、前の周まで順調にファステストラップを重ねていたフェラーリ勢もそれに続き、14周目にアロンソ、その翌周にマッサがピットインしてタイヤをハードタイヤに交換。トップ3は元の順位を保ってレース復帰を果たす。他の上位勢では、23周目までピットインを遅らせたバトンがウエーバーから5番手を奪うことに成功。しかし、16周目にピットインした10番手の小林可夢偉は全車がピットインを終えた段階で13番手に後退してしまう。
その後レースは、1-2態勢を築くフェラーリ勢が25周目以降も互いにファステストラップを出し合い、3番手ベッテルとの差を徐々に拡大。30周目にはその差を6秒にまで広げる。
こうなると注目はフェラーリ2台による先頭争いとなったが、40周を過ぎるあたりからマッサのペースに若干の陰りが見え始め、3番手ベッテルもペースを取り戻したためにトップ3の間隔は再び縮まっていった。するとフェラーリはチーム無線でマッサに何らかの指示を出し、直後の49周目にマッサは明らかなスローダウンでアロンソにトップの座を譲り渡した。
すっきりしないかたちでトップに立ったアロンソだが、レース終盤は立て続けにファステストラップを刻みながら順調に周回を重ね、そのまま67周を走破。実に開幕戦以来、10戦ぶりとなる優勝を手にする。また2番手に後退したマッサも、終盤はベッテルの猛追を受けたものの、なんとか逃げ切って2位でチェッカー。フェラーリは1-2フィニッシュも開幕戦以来で、復活を強く印象づける結果となった。3位はベッテル。以下ハミルトン、バトンのマクラーレン勢が続き、ウエーバーは6位でフィニッシュした。
小林可夢偉は終盤11番手までポジションを上げ、最後も前を行くルノーのビタリー・ペトロフに一時迫る走りを見せるが追い抜くまでには至らず、そのまま11位でフィニッシュ。3戦連続のポイントは惜しくも果たせなかった。