スーパーGT第8戦ツインリンクもてぎで、このラウンドまでタイトルを争いつつもスタート進行時のペナルティで20秒のストップを課せられてしまったENEOS SC430。スタートを担当したビヨン・ビルドハイムは「皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と悔やんだ。
今回のもてぎ戦では、土曜の練習走行から上位につけ逆転タイトルに向け期待が高まったENEOS SC430。予選2番手からポールのウイダーHSV-010を追うはずだったが、グリッドへ向かう際に「ビヨンがいつものように早めにピットを出て行ったところ、タイヤのウォーミングアップに集中するあまり、信号はまだ赤だったにも関わらず我先にコースに入ってしまい(チーム・ルマン土沼広芳総監督)」、ピット出口に出ていたシグナルを見落とし、スーパーGTスポーティングレギュレーション第28条4.(スタート手順)違反によりペナルティストップ20秒が課されてしまった。
このペナルティで、2周目までは首位ウイダーHSV-010を追っていたENEOS SC430は大きく遅れ、結果として12位完走。ランキング4位でシリーズを終えることとなった。
傷心のビルドハイムは、チーム・ルマンのレースレポートに対し「スーパーGTタイトルがかかった大事なこのもてぎに向けて、(伊藤)大輔もチームも、そして自分自身もベストコンディションで挑んでいました」と振り返る。
「予選も直接的なライバルだった18号車にポールを譲るもその差は100分の1秒台で、SC430のバランスの良さと速さを根拠に自分にとっての初タイトルを勝ち取るつもりでいましたが、私自身が自分の不注意で招いた20秒のピットストップペナルティで全てを失ってしまいました。レースで競う以前に、コースインを許可する信号灯を見落とすという信じられないミスを犯したことについては弁解の余地もありません」とビルドハイムはレポートの中で謝罪した。
「今日の勝利をともに目指してきた大輔、エンジニア、チームクルー、スポンサー、トヨタ、TRD、また応援に駆けつけてきてくれたファンの皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいで深くお詫び申し上げるとともに、この失態は全面的に私一人の不注意が招いた悲劇で、すべての責任は私個人にあることを強調して、今はとにかく気持ちの整理をつけ、早く前向きに考えられるよう努めていきたいと思います」