2012年3月22日、セパン
タイヤから見たマレーシアGP
セパンは、気候と路面コンディションのため、シーズン中最もタイヤに厳しいサーキットの一つです。ピレリは、マレーシアGPにP Zeroシルバー・ハードタイヤとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを持ち込みます。ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのポール・ヘンベリーが、ストリーミング配信されるユニークなライブ・チャット(詳細は後述)でその理由を説明します。
マレーシアの路面温度は、日中最も暑い時間帯で50°Cを超える可能性があります。メルボルンより高い路面温度と粗い路面のため、摩耗率が大幅に高くなり、デグラデーションは大きくなります。ハードとミディアムの組み合わせが初めて選択されたのはこのためです。
もう一つの鍵となるポイントは、サーキットの特性による高い横荷重です。最もチャレンジングなコーナーの連続は、ターン5〜7とターン12〜13です。それでは、タイヤから見たサーキットをご紹介していきましょう。
スタート-フィニッシュラインから460m先、ターン1への進入時、フロントタイヤは、ブレーキングとステアリングの両面をサポートしなければなりません。低い速度と空力ダウンフォースの不足が続くことによって、その負荷は、コーナーの中間付近でピークとなります。ターン2では、特にトラクションが重要になります。その後のハイスピードセクションへ繋がっていくため、速いコーナーの抜けが必要になります。
セパンの高速コーナー(その中の2つは、時速250kmを超える速度で走行します)を抜ける際、タイヤは、ショルダー(タイヤの中で最も高温になる部分)に大きな負荷となる4Gもの横荷重に対応しなければなりません。特にターン3において、ドライバーは、タイヤに非常に高い安定性を求めることになります。
ターン5と6もまた高速コーナーです。セパンには大きなカーブが無いため、硬めのサスペンションセットアップによって、マシンスピードはいくらか遅めになります。常に、タイヤは、サーキット上のバンプや欠陥を吸収するマシンのサスペンションにおける重要な部分です。
最終コーナーであるターン15では、5.3Gもの減速Gがかかります。減速効率を最大限にするため、手前のストレートでブレーキングが行われます。その後、ドライバーが高速でコーナーへ進入する際、外側のタイヤは、横荷重と加速時の縦方向の荷重の両方を吸収します。KERSとDRSの使用や、ドライバーが多様なラインを走行することもあり、このコーナーへの入口は、絶好のオーバーテイクポイントとなっています。
マレーシアにおけるCinturato雨天用タイヤ:
マレーシアGPは、シーズン中で最も暑く、タイヤに厳しいレースの一つです。これが、ピレリがハードとミディアムを選択した理由ですが、話はそれだけではありません。
昨年は、まれなことに、ドライ走行のみでしたが、この地域の特徴である80%もの湿度は、しばしば豪雨を招きます。したがって、オーストラリアにおいて先週金曜日にデビューしたCinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットタイヤが、今週末重要な役割を演じる可能性があります。
2012年仕様のCinturato雨天用リアタイヤは、コンパウンドとトレッドパターンについては昨年と同様ですが、新しいプロファイルによる進化型となっています。新型では、ウェットコンディションにおける性能と安全性を向上させています。
インターミディエイトとフルウェットタイヤは、ともにアクアプレーニング現象を防ぎます。フルスピード走行時、インターミディエイトは1秒間に25リッターを、フルウェットは1秒間に60リッターを排水することができます。
スリックタイヤに関しては、「よりスクエアな」新型プロファイルが、タイヤにかかる負荷をタイヤの全接地面に均等に配分します。この負荷分散は、安全面における重要なアドバンテージを提供します。ストレート走行時、タイヤの接地面は300平方cmになり、性能の限界時にもドライバーが完全なコントロールを維持するために不可欠なグリップ、トラクション、ターンインを提供します。
マレーシアにおいて、タイヤが対応しなければならない横方向エネルギーのレベルは、バルセロナに次いで今年2番目に高いものです。特にリアタイヤには、ウェット、ドライともに大きな負荷がかかります。
セパンで雨の場合はいつでも、トラックの乾きは早いものの、排水が完全ではありません。したがって、ドライなラインが現れた場合においても、ドライバーを捉えるたくさんの水溜りが残っている可能性があります。
