2011年カナダGP
ピレリのPZeroレッド・スーパーソフト、再び登場
2011年6月6日、ミラノ

グランプリ概略
大興奮のモナコGPではピレリのスーパーソフト・タイヤがデビューを果たしましたが、次のカナダGPでも同様の2スペック、PZeroレッド・スーパーソフトとPZeroイエロー・ソフトが投入されます。

モナコと同様に、カナダGPも半公道サーキットでの開催となります。しかしジル・ビルヌーブ・サーキットはモナコよりも高速で、なおかつ低グリップな路面となっています。こうした特徴によって、タイヤの摩耗はモナコGPとはまた異なった傾向を示すことになるでしょう。激しいブレーキングと最大限のトラクションが要求される箇所もあり、タイヤにとってはそれらも重要なポイントになります。

それゆえに、モナコGPで見られたような50周以上にわたるロングスティントは難しそうで、カナダGPは再びスプリントレースの激しいバトルとなるでしょう。

モントリオールのサーキットでは、タイヤの摩耗が非常に重要な要素になります。それゆえに、カナダGPは伝統的にシーズンの中でも最も面白いレースのひとつとなっているのです。1978年の初開催以来、サーキットには何度も改修が重ねられてきました。特にタイヤに大きな影響を及ぼす要素としては、昨年に路面の再舗装が行われ、2005年にはこれまでより高い縁石が増設されています。

このサーキットでは年に2回、F1とNASCARしか大きなレースが開催されません。それゆえ、レース週末の間に路面にはタイヤのラバーが載ってグリップレベルは大きく向上することになります。

カナダGPの金曜日に行なわれる2回のフリー走行では、将来に向けた評価用として、新型ミディアム・タイヤが各ドライバーに2セットずつ与えられます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「モナコGPは、3人のドライバーが異なる戦略で接近した優勝争いを繰り広げた素晴らしいレースでした。データを見る限り、セバスチャン・ベッテルは赤旗によるレース中断がなくてもあのままのペースで最後まで走り切ることができたはずです。つまり、彼はPZeroイエロー・ソフトで62周。約200km以上を走れたことになります。カナダのサーキット特性を考えると、今週末は1ストップ作戦は難しいでしょう。しかしレースはモナコGP同様の接戦になるでしょうし、コース上での追い抜きが容易なことを考えれば、レース戦略の幅はモナコよりもさらに幅広くなるはずです。PZeroタイヤの純粋なパフォーマンスは、モナコで史上最速の予選タイムを記録したことによって証明され、さらにF1通算50勝を記録してピレリの栄光はさらに輝かしいものとなりました」

ドライバーのコメント ルーベンス・バリチェロ(ウイリアムズ):
「モントリオールのサーキットでは低ダウンフォースのセットアップで走るし、路面グリップ自体がとても低いから、タイヤに厳しいんだ。サーキットには何カ所かのシケインがあって、ブレーキにもとても厳しい。2つヘアピンがあって、トラクションもとても重要だ。たとえばターン1はかなりのスピードを残しながら飛び込んでいってから、1速で曲がるヘアピンに向けてハードブレーキングをするんだ。最低速度はとても低いけど、トラクションのせいでタイヤにはとても大きな負荷がかかるんだ。ハードブレーキングが要求される箇所もたくさんある。僕はこのサーキットが好きだし、ここでのレースはいつも素晴らしいよ。ピレリのPZeroタイヤでのレースが楽しみだよ」

テクニカルノートとこれまでのタイヤ選択:
・カナダは路面コンディションが一定しておらず、F1カレンダー中でも最もグリップレベルの予測が難しいサーキットのひとつ。そのためタイヤ摩耗が激しく、なおかつ不規則にもなり得る。これがタイヤの耐久性とレース戦略に大きなアクセントをもたらす。

・かつてミハエル・シューマッハはモントリオールで7度の勝利を飾り、カナダGPの覇者だった。彼以降、カナダで最も成功を収めている現役ドライバーはマクラーレンのルイス・ハミルトンで、自身初のポールポジションと初優勝をここで飾っている。

・昨年のカナダGPでは61回のピットストップが行なわれ、ドライバー1人あたりの平均ピット回数は2.5回だった。

カナダでのピレリ:
・ピレリは長年にわたってカナダで販売を続けていますが、北米には生産拠点は1箇所しかありません。ローマという地名の場所にありますが、それはイタリアのローマではなくジョージア州のローマです。

・ピレリは1991年のカナダGPで、ベネトン・フォードのネルソン・ピケによって8番グリッドから勝利を挙げています。これが前回のF1参戦時の最後の勝利でした。ピケにとってピレリでの2勝目でもありました。

・開催地であるケベック州は冬の冷え込みが厳しく、カナダで最大の売り上げを誇るピレリのタイヤにはSottozero(ソット・ゼロ)シリーズとWinter Carving Edge(ウインター・カーヴィング・エッジ)があります。Winter Carving Edgeは、カナダのような厳冬地でのコントロール性能と安定性を目的に北極圏で開発されたスパイクタイヤです。

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