2009年のF1カレンダーから落ちたフランスGPはマニクールに代わる開催地の検討を行ってきたが、一番有力視されていたサーキットの計画が取りやめとなったことで、フランスGPの復活は非常に難しくなったと見られている。
コースの性質はドライバーから好評なものの、ロケーションに難があり、マニクールは不人気サーキットとなっている。ユーロディズニーやパリ市内のストリートサーキットなどの代替開催地候補も上がっていたが、その中でも最有力であったのが、パリ北部のイブリーヌ県のフラン・レ・ミュローに新サーキットを建設するという計画。
この計画をアラン・プロストは熱烈に応援をしていたものの、行政および環境面での反対意見によって中止へと追い込まれた。
「賛成、反対を問わず、サーキット計画に対して関連がありそうな関係各所へ聞き取りを行い、それらを取りまとめた結果、私を含めた県議会の結論としては、F1サーキット計画を取りやめる決定を行わざるを得なかった」とイブリーヌ県知事のアラン・シュミッツは語っている。
サーキット建設計画は県の活性計画うちのわずかな部分であった。この計画では雇用促進などが見込まれていたが、自由放任主義的観点から経済面がクローズアップされず、十分なサポートが得られなかったという。
これにより、マニクールに代わるフランスGP開催サーキット探しはぐるりと一巡し、ふりだしのマニクールへと戻ってしまった。
ちなみに、今回の候補地だったイブリーヌ県のフラン・レ・ミュローにはアコーホテルズ・グループの格安ホテルチェーン、フォーミュル1(FORMULE 1)がある。このホテルチェーンは日本でも2カ所で営業を行っている。