28日、IRLドライバーの武藤英紀がアメリカで活躍するメジャーリーガー松井稼頭央とともに都内で合同トレーニングを行った。松井と同じメニューをこなした武藤は、松井の俊敏な動きを生む“体幹”の強さに襲撃を受け、レーシングドライバーとして自身も更なるステップにつなげたいと目を輝かせた。

 レーシングドライバーとプロ野球選手という異色の組み合わせのふたりが今回トレーニングを共にすることになったキッカケは2008年にあった。当時、すでにアメリカで活躍をしていた松井が、武藤の参戦するインディカーの2シーターマシンの同乗体験に訪れた際に初めて会話を交わしたことで交流が生まれ、武藤もその日の夜にシンシナティで行われたナイターを観戦。
 以降ふたりはメールや電話をする仲になり、武藤は松井の日米通算2000本安打達成の際にもメールで祝福、すぐに返事の電話をもらったという。そうしたいきさつもあって今回は武藤がトレーニングの参加を希望、松井も快く応じたというわけだ。

 ただ、今週月曜から始まっていたトレーニングに武藤が本格的に参加するのはこの日が初めて。ここ数日体調を崩していた武藤は、この日もベストなコンディションではなかったが、せっかくの機会を無駄にしたくないと体に鞭を打って駆けつけたのだ。
「(合同トレーニングを)できることになって誇らしいことだ思ったし、ほかの一流スポーツ選手に混じって何かできるというのはレース界にとっても大きい事だと思いました」と言う武藤。

 この日は朝9時からのトレーニングに加わると、室内で今注目の体幹強化運動をはじめグラウンドでのダッシュやラダーというはしご状のロープを使ったフットワークトレーニングで汗を流した。さらにその後も、小学校以来というキャッチボールで松井から直接ボールの握り方を教わったり、室内練習場ではバッティングにもチャレンジ。快音が響くたびに笑顔を見せていた。

 こうして刺激的な一日を終えた武藤は、メジャーリーガー松井から“ある事”の重要性を以前にも増して強く感じたようだ。
「松井選手の動きには無駄がなく、常に最高の動きを求めながらひとつひとつの動作をしています。動きにキレがあり、体幹が強い!」と武藤。この体幹強化については、武藤自身も以前から大事に感じていたためトレーニングにも取り入れていたと言うが、一緒にトレーニングをする中でその重要性を身をもって感じたという。
「走っていてもブレがないし、力を100%地面に伝えているのが見ていて分かりました。僕と野球選手では動き方が違うので普段のトレーニングは違いますが、新たな刺激にはなりましたね」
「実際のドライビングでは、横Gで体が動きはじめた時にそれを支えようと腕や肩が上がったりしてしまいます。でも体幹がしっかりしていれば、腕に無駄な力が入らないと思うし楽にもなると思います」

 昨シーズンまでの2年間を過ごしたアンドレッティ・オートスポーツ(旧AGR)はすでに4人のドライバーを発表していることから新たなシートを探すことになる武藤。しかし松井から最後に送られた「お互い素晴らしい年にしよう」とのエールには力強くうなずいて見せた。武藤からの新たなニュースが待ち望まれるところだ。

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