ニュルブルクリンクでのコスト削減へむけたミーティングを「途中退席した」と批判をしているFIAに対して、FOTAは、これまでの同意事項を破り、FOTA加盟チームの投票権を認めなかったことへ、“F1を再び危機的状態へ導いている”と非難をしている。

 FIAとFOTAが歩み寄り、分裂の危機は免れたかにみえた2010年F1問題。しかしドイツGPに先がけて行われた会合では、FIA会長マックス・モズレーによる提案の4000万ポンド(およそ60億5250万円)のバジェットキャップの対案として、討議が進められていた1990年代始めのころのコストへ2年で削減を進めていくという案、最低車輌重量を620kgとするという議題は、まとまることないまま、再び両者がお互いの非難をする状態となってしまった。

 FIAはFOTA側の出席者、フェラーリ、マクラーレン・メルセデス、BMWザウバー、ルノー、トヨタ、レッドブル・レーシング、スクーデリア・トロロッソ、ブラウンGPが途中退席をすることで話し合いを台無しにしたと非難(下記関連ニュースを参照)。
 対してFOTAサイドは、テクニカル・ワーキンググループのミーティングの延期を求めるリクエストを拒否されたことで、チーム代表者たちは会合への参加を打ち切る以外に選択肢がなかったと説明をしている。これは“新たなコンコルド協定の締結を行った上で、全参加者が同一となる2010年レギュレーションの採択”を条件としていることが背景としてある。

 2週間目にパリで行われたFIAの世界モータースポーツカウンシル(WMSC)では、FIAはバジェットキャップを推し進めることをやめ、FOTAへコストカットの主導権を渡すとともに、議論を呼んでいたモズレーの独裁的支配を弱めることで、FIAとFOTAそれぞれがシリーズを運営するという危機から脱出を図った。ところが、それらが反古にされているとFOTAはリリースを通じて訴えている。

「チームマネージャーたちは、FIAのチャーリー・ホワイティング氏から、以前の合意に反し、FOTAの8チームは2010年FIA F1世界選手権に現在エントリーしておらず、そのテクニカルおよびスポーティングレギュレーションに関する投票権がないと伝えられた。
 しかしながら、6月24日のWMSCとFIAによる発表によって、2010年テクニカルおよびスポーティングレギュレーションの基礎がパリですでに確立され、エントリーがなされたたことは、FOTAのチームにとっては明白である」

「WMSCに承認され、6月24日のFIAプレス声明において明確に記されているように、“2010年以降の規則は、2009年のレギュレーションおよび 2009年4月29日より前に合意されたレギュレーションとなる”。パリにおける協議においては、レギュレーション変更に関する全会一致の合意に関していかなる要請も示されなかった。WMSCの意志、そしてパリでの合意の詳細に後から反することは、F1の将来を危険にさらすことにつながる。
 このような陳述の結果として、その後のテクニカル・ワーキンググループに出席したFOTAの代表者たちは、彼らの権利を行使することができず、そのため、参加を打ち切るほかはなくなった」

 これらの状況に加えて、10月の任期終了をもってFIA会長の職を辞すとしていたモズレーも、最近は周囲からの説得により再度会長選挙へ立候補する意思をみせていることもチームから反感を買っている。
 一方、FOTAから外れているウィリアムズとフォースインディア、新エントラントであるチームUSF1、カンポス・メタ1、マノー・グランプリもニュルブルクリンクでの会合に出席、こちらのチームに関してはFOTAの動きとは関係なく2010年へのエントリーは確実と見られている。

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