FIAとチーム側が8日、ニュルブルクリンクで会合を行ったが、FOTAメンバーチームが退席、再び両者の間で対立が生じる結果となった。FOTAは、自分たちには投票権はないと言われたため退席するほかなかったと主張したが、これを受け、FIAは、FOTAは状況を認識していたはずであると述べている。
FIAは以下のような声明を発表した。
「昨日のテクニカル・ワーキンググループの会合からFOTAが退席する決断を下したが、FIA会長は事前にニ度にわたり、FOTA会長に対して、2010年FIA F1世界選手権のレギュレーションをいかなる形であれ変更するには、公表された規則の下で来年のエントリーを行った5つのチームすべての承認が不可欠であるということを指摘した」
「これは国際スポーツ法典によるものであり、さらに、エントリーを行ったチームは総会あるいは世界評議会でさえ無効にできない契約をFIAと結んでいるからである。これは、モータースポーツの統治に関し初歩的な知識を持っている者なら、誰もが知っていることである。もし、FOTAのチームがエントリーした後に、世界評議会が彼らに要請することなく規則を変更すれば、混乱が生じることはおわかりだろう」
「つまり、2010年世界選手権に現在エントリーしている5チームが、2010年の規則変更に関して合意することが必要だということである。FOTAはこのことを昨日の会合の間に知らされたと示唆しているが、それは全く真実とは異なる。したがって、彼らが皆モータースポーツの基本原則のひとつに気付いていなかったという潜在的な主張も同様である」
「現状では、2010年に関するF1テクニカルおよびスポーティング・ワーキンググループの現在のメンバーは、2010年選手権にエントリーしているチームである。しかし、新コンコルド協定におけるいわゆる“安定したレギュレーション”となる、2010年スポーティングおよびテクニカルレギュレーションにおいて、全13チームの合意を達成するために、FOTAの8チームは会合に招かれた。SWGはこれに基づいて今朝行われ、大きな前進が成し遂げられた。しかし午後にはFOTAチームがTWGから退席した。それにもかかわらず、エントリーしている5チームは、昨日発表したとおり、6月24日にパリの世界評議会において合意に達した変更を確認することができた」
「FOTAチームが、2010年選手権にエントリーする前にコンコルド協定を準備することを望んでいたことを、FIAは承知していた。エントリーした後では、FOTAチームは、上述のような契約上の立場から、離脱の脅しを行うことはもはやできない」
「FIAがコストキャップ案を撤廃することに同意したのは、シルバーストンの週末にウイリアムズチームから提案があったためだ。これは、チーム自身が対処する形で、2011年末までに1990年序盤のレベルまで支出を削減することに合意するという提案だった。この削減にFOTAは同意し、6月24日パリにて彼らはそれを確認した。これは、全チームがかかわる、私的な法的拘束力のある契約なのであろうが、これにFIAはかかわってはいない。FIAはパリで、この協定が確定すれば、コストキャップの規定は、2010年スポーティングレギュレーションから除外することができると確認した」
「パリでFIAがFOTAとの間で達成した取り決めは、1998年コンコルド協定を、統治の部分にいくつか小さな改正を加えた上で、延長するというものだった。これは、将来の規則に対処するためにF1委員会に提出され、大きな問題に関してはFIA議会に送られる予定だった」
「しかし6月25日、FIAは、いくつかの小さな改正を伴う1998年の協定ではなく、350ページにわたる完全に新しいコンコルド協定を受け取った」
「議会がこのように詳細な交渉にかかわるのは全く実際的でなかったため、契約書はFIAの弁護士に渡され、彼らは6月27~28日の週末に不眠不休でこれに取り組み、6月29日月曜の3時間にわたる電話会議において助言を行った。その後、6月25日の350ページのものがFOTA/FOAの最終的なバージョンとはならないことが判明し、新たなバージョンの要素が、一部が7月2日に、さらに7月3日に見えてきた」
「FIAの弁護士は、FIA会長マックス・モズレーとFIA副会長(スポーツ担当)ニック・クロー同様、7月4~5日の週末に再び作業を行った。その後、7月6日月曜に3時間半にわたる弁護士の電話会議でさらなる意見が提出され、さらなる草案の伝達を受け、昨日7月8日にも再度電話会議が行われた。昨日夜には再び電話会議を行い、さらに重要な進展が見られた」
「現在の見込みでは、2009年コンコルド協定の最終的な草案に関して合意が成され、数日中のうちにサインの準備が整えられるものと思われる」